重曹がビル外壁を美しく蘇らす

―重曹ブラスティングシステムを開発―

 
【平成10年9月2日】大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・平島 治)は、研掃材として重曹(重炭酸ナトリウム)の粒子を空気及び少量の水(重曹の飛散防止用)と共にビルの壁面に吹き付けて、外壁表面を傷めることなく汚れを取り除く重曹ブラスティング技術を開発し、実用化しました。

 従来は、薬剤または高圧水による洗浄方法が採用されていましたが、薬剤による洗浄では、壁面の材質によって素地の肌焼けを起こす場合があります。また、高圧水による洗浄では、圧力が高すぎると素地を傷めるという問題点もあります。そこで、当社は従来技術に代わる新たな技術として、研掃材に重曹を用いた洗浄方法に着目しました。
 本技術は、海外では機械や部品のグリース洗浄や錆落し等に使われ始めています。当社はこの技術を建物の外壁洗浄に適用するための応用技術を開発しました。具体的には、御影石やタイル等の各種の外壁材に対して、最適なブラスティング条件(供給エア圧力、重曹の粒度等)を研究すると共に、現場に適用しやすいコンパクトなシステム構成に仕上げました。
 重曹は、医薬品として使用されているように毒性が無く、水に良く溶け、溶けた水は中性に近く、下水に流すこともできるという環境上やさしい特長を持っています。また、適度な硬さであるため、外壁表面を傷つけることなく、極めて高い洗浄効果が得られます。
 今回、当技術を適用した京橋千代田ビル(千代田生命保険(相)所有)は、地下4階、地上12階、外壁仕様は黒御影石バーナー仕上げの建物で、外壁洗浄の面積は約6,000m2です。竣工後17年を経過し、外壁面全体に自動車の排気ガス等による汚れが見られました。
 施工結果は、非常に良好で、外壁面を傷めることなく、黒御影石の自然な美しさが蘇りました。また、当技術は吹き付け方式であるため作業効率は従来技術に比べ約30%向上し、取り扱いも極めて容易で、コストも薬剤による洗浄に比べ約20%低減できます。

 当社は、本技術をビルのリニューアル工事の差別化技術として捉え、積極的な運用を推進していきます。また、トンネル・橋梁・ダム等の土木構造物や施工機械の洗浄への適用も検討しており、全社的な展開を図っていきます。