世界初、発破掘削トンネルに連続ベルトコンベヤシステム

―安全かつクリーンな作業環境で省力化と急速施工化を実現―
 
【平成10年10月28日】大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・平島 治)は、世界で初めて、発破掘削方法によるトンネル工事で、自走式クラッシャーと連続ベルトコンベヤ方式の組み合わせで、発破により破砕された岩塊(ずり)搬出システムを開発、九州新幹線田上トンネル工事において導入しました。


 本システムは、発破掘削で発生する様々な形状のずりを、切羽(掘削の最先端の地山)後方50m付近に設置した自走式クラッシャーで最大径20cm以下に破砕し、連続ベルトコンベヤで坑外まで搬出するシステムです。自走式クラッシャーの進行に伴い、連続ベルトコンベヤも合わせて延伸していきます。
 通常の発破掘削では、ダンプトラックでずりを搬出しています。しかし、施工延長が次第に長くなり車両台数が増加するとともに、坑内環境が悪化し、接触事故等の危険性も増加します。
 この度、当社は、当システムを実用化する上で、以下の技術的問題を解決しました。
(1) ダンプトラック方式と同等のずり搬出能力をもつクラッシャーは、大型でトンネル内への導入が困難でしたが、コンパクトな電動クラッシャーの開発により可能になりました。
(2) 発破時のずり飛来に耐えうる機械の防護対策および強度補強に成功しました。
(3) スライドセントル、防水シート張り台車等の通過機構の工夫により、ベルトコンベヤ施設の設置による防水シートの破損を防ぎ、かつ、ベルトコンベヤの振動が打設後のコンクリートに影響を与えることがなくなりました。
(4) クラッシャーが自走することにより、切羽側ベルコン延伸部の延伸機構等の設備の移動が可能になりました。

当システムの導入により、以下のメリットがあります。
(1) ダンプトラックを使用しないため、頻繁な交通量による接触事故等の危険性が激減します。
(2) ずり積込み機だけがエンジンで他は全て電動のため、ずり搬出時の排気ガス、走行粉塵等による坑内空気の汚染が低減し、常に視界が良好です。


 九州新幹線工事(発注者:日本鉄道建設公団九州新幹線建設局)は、八代〜西鹿児島間(延長125km)に新幹線規格の鉄道を新設するものです。田上トンネルは、全長6,995mで、この区間では2番目に長いトンネルです。本工事はその内、八代側より5,242mを施工するものです。
 本システムは、当トンネルのような長大トンネルにおいても、良好な作業環境を維持できるだけでなく、省力化、急速施工化にも大きく寄与します。今後各方面に積極的に提案していきます。



システム概略図
システム概略図


環境にやさしいトンネル施工
環境にやさしいトンネル施工