逆打工法地下部鉄骨柱の清掃に新兵器導入

―安全性向上・スピードアップ・コストダウンを実現―
 
【平成10年10月27日】大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・平島 治)は、日立建機(株)(社長・瀬口 龍一)と共同で、地下工事の逆打工法における構真柱(地下躯体の鋼製柱)のケレン(付着物を掻き落として掃除すること)清掃作業を行う「構真柱ケレン機械」を開発し、法政大学市ヶ谷新棟建設工事で実用化しました。(共同特許出願中)

 近年、地域の再開発プロジェクトを筆頭に建築工事の大型化が進み、それに対応すべく地下工事においては逆打(サカウチ)工法が多用されています。逆打工法は、地下地上同時施工による工期の短縮、仮設工事費の低減、高所作業の回避による安全性の向上等メリットの多い工法です。
 本工法においては地山の掘削に先行して建て込む鋼製の構真柱は、地下掘削作業の進捗とともに露出し、これには多量の埋戻し土と建込時の削孔安定剤であるベントナイト溶液による固結泥土が付着しています。構真柱にコンクリートを打設し、SRC造の柱とするためにはこれらの泥土を完全に取り除く必要があります。
 従来は、この構真柱に付着した泥土の撤去作業は、構真柱回りに足場を組み、皮スキ、ノミ、ワイヤブラシ等を使って人力により行っていました。
 今回実用化した「構真柱ケレン機械」は、狭隘な地下工事に適合させるために、ミニ油圧ショベルをベースマシンとし、アームの先端には構真柱に付着した泥土等の粗取りを行うリッパーと、首振り機能を有する自由度の高い仕上げ取り用回転式ワイヤブラシが取り付けられています。

〈機械の特徴〉
  1. ケレン作業の段階、構真柱の形状や泥土の土質に応じた、リッパーとワイヤブラシが数種類用意されており適時交換して状態に合った効率的な作業が可能。
  2. 散水ノズルをワイヤブラシの根元に設置しており、オペレータが運転席より遠隔操作で散水を行うため、ケレン作業中に発生する粉塵の飛散防止が可能。
  3. ケレン作業は、機械本体のある地盤より約4.5m(1フロアー分)の高さまで可能。
  4. ワイヤブラシを遠心拡張式にすることにより、内面部に挿入後、回転による遠心力でブラシが拡張し、隅々まで清掃するため、外面部のみならず内面部も全長に渡って短時間で完全清掃が可能。
  5. 油圧ショベルをベースマシンとし、先端アタッチメントの交換でケレン作業時以外はショベルとして使用可能。


 法政大学市ヶ谷新棟建設工事で、当機械を導入した結果、従来作業員が行っていた高所での危険を伴う手作業を解消するとともに作業のスピードアップ(人力の4〜5倍)とコストダウン(10〜20%減)が実現できました。


構真柱ケレン機械全景
構真柱ケレン機械全景

回転式ワイヤブラシ
回転式ワイヤブラシ

内面仕上げ用回転ブラシ
内面仕上げ用回転ブラシ

外面仕上げ用回転ブラシ
外面仕上げ用回転ブラシ