道路トンネルの拡幅を楽々と

─車両の通行を確保しながら短工期で施工─

 
【平成10年5月13日】大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・平島 治)は、車両を通行させながら工事を行う道路トンネル拡幅の新工法を開発しました。様々な拡幅パターンに対応可能であり、従来工法に比べ、工期が短く、工事費も同程度ですみます。

 開発した新工法は、ガントリー型トンネル拡幅機を使用し、一般車両の通行を確保しながら工事を行う方式で、日本鉱機(株)(社長・上村慎吾)と共同で開発しました。従来の道路トンネルの拡幅工事は、旧トンネル内にプロテクターを設置し、拡幅部分を分割して掘削していたため、狭い空間での作業となり、複雑な作業が多く、長い工期を必要としました。
 ガントリー型トンネル拡幅機の導入により、拡幅部の全断面掘削を行うため、掘削速度は従来工法に比べて1.7倍になります。この拡幅機はプロテクターを装備しているため、工事中でも一般車両は安全に通行できます。機械化による省力化および掘削速度の向上により、工事費は従来工法と同程度が見込まれます。
 在来工法によるトンネル拡幅工事の際は交通規制による渋滞が問題でした。本工法により、ガントリー内部の空間を広くとり、工事中に2車線確保することができます。旧トンネルの断面が小さい場合は、旧トンネルの横に1車線用のトンネルを掘削し、その後旧トンネルを拡幅機により1車線を確保しながら施工を行い、2車線を確保します。
 本工法に加え、4車線等への新型トンネル拡幅工法の開発にも着手しました。既設トンネルの両側にトンネルを掘削し、このトンネルを作業基地として旧トンネルの上部にプレライニングを構築します(連続式プレライニング工法)。旧トンネル解体時は、解体掘削作業はプレライニングの防護された空間にて安全に行われ、一般車両も両側のトンネルを安全に通行できます。旧トンネルの掘削解体が完了と同時に舗装工事等を行い、新設本トンネルが完成します。この工法は今年度中に開発を完了する予定です。

 都市部周辺では、道路トンネルの老朽化対策や交通量に応じた断面拡幅工事の需要が増大しています。今後、交通障害の少ないトンネル拡幅工法として、本工法を積極的に提案します。

■ガントリー型トンネル拡幅機の概要

  1. 装置概要
     下部の通行路を確保した自走式の作業台(ガントリー)上に堀削機、削孔機、吹付機、ブレイカー等を搭載している。ガントリー前後には通行の安全を確保するためのプロテクターが設置されている。

  2. 施工手順

    1. 堀削
       堀削は、ガントリー左右に設置されたブーム型掘削機2台で、全断面掘削を行う。トンネルの覆工コンクリートの撤去はブレイカーを使用する。ずりは両側のパワーローダーよりかき集め、ダンプトラックにより坑外へ搬出する。
    2. 吹付コンクリート
       ガントリー上の吹付機により、吹付コンクリートを打設し、堀削壁面を防護する。
    3. 鋼製支保工の建て込み
       モノレール式運搬機により、切羽まで支保工を運搬し、削孔機及びマンケージに取付けられた把持装置により、支保工の建て込みを行う。
    4. ロックボルト
       ガントリーに取付けられた2台の削岩機によリ、削孔し、ロックボルトを打設する。
    5. ガントリーの移動
       ガントリーを前方に移動し、次の堀削を行う。
■連続式プレライニング工法の施工手順
  1. 掘削
     アーチ型掘削架台を坑口に組み立て、リング状の掘削を連続的に反対側坑口まで行う。堀削はウオータージェットにて行い、堀削されたずりは両側のトンネルに設置された回収装置に削孔水とともに落下する。

  2. コンクリート充填
     リング状に掘削された溝に、チューブを、アーチ型掘削架台を利用してアーチ状に設置する。チューブ内部にコンクリート充填して地盤に固定した後、チューブとチューブの間をコンクリート充填する。このように、掘削、コンクリート充填を連続的に行い、プレライニングを構築する。