エレベータシャフト壁の国際共同開発

─世界各国で使用されているシャフト壁工法を日本に導入─

 
【平成10年5月7日】大成建設株式会社

 大成建設(株)(社長・平島 治)は、日新製鋼(株)(社長・浜田泰行)、USG社(ユナイテッド・ジプサム・カンパニー、本社・米国イリノイ州、社長・ジャック オブライエン)と共同でエレベータシャフト壁の「改良シャフトウォール工法」を開発しました(特許申請済)。昨年12月に建築基準法第38条にもとづく建設大臣認定を取得し、JRセントラルタワーズ新築工事(名古屋市)で実用化しました。シャフトの外側から片面施工できるためにシャフト内の足場が不要で、当該工程を2割ほど短縮でき、施工性・安全性・軽量性・遮音性に優れています。

 米国のワールドトレードセンターをはじめ世界各国の超高層ビルのエレベータシャフト壁として実績のある「USGキャビティ・シャフトウォール工法」はシャフト側には石膏ボードを貼らずに鋼製スタッド(間柱)を露出させる構造です。このままでは、わが国の建築基準法上の耐火壁の規定「鋼材温度が平均で400℃以下、最高で500℃以下」に合わず、国内では採用できませんでした。
 そこで、国内導入のために改良スタッドの素材として600℃程度まで強度を保持する薄肉耐火鋼を開発しました。さらに、計画ビルのシャフト内で火災が発生した場合の鋼材温度を事前に予測することにより、スタッドが防火区画の壁として十分な強度、安全性を確保できることを証明しました。

 本工法では、襖をはめるように、石膏ボードをシャフトの外側から組み立てます。まず、天井と床部分にランナーを取り付け、その間に厚さ25mmの石膏ボードと特殊形状のCHスタッドを交互に取り付けて壁を構築します。さらに外側は19mmの石膏ボードの2枚貼りで仕上げます。
 特長は

  • スタッド素材として薄肉耐火鋼を使用し、耐火性が高い。
  • シャフトの内側に入らず、シャフトの外側からのみで組み立てるため、高所作業がなく安全。
  • シャフト内の足場が不要なため工程を短縮。
  • ランナー、スタッド、石膏ボード間はビスを使わずにはめ込むだけなので作業効率が向上。
  • 壁厚が薄く軽量。
  • 遮音性能に優れる
などが挙げられます。

 今後、シャフト内で発生する火災時の温度予測の簡略化を進め、「改良シャフトウォール工法」を積極的に採用していく方針です。