超高層住宅の設計自由度を拡大

─FC1000の超高強度コンクリートを本格採用─

 
【平成10年3月26日】大成建設株式会社

 大成建設(株)(社長・平島 治)は、圧縮強度1000Kg/cm2(FC1000)の超高強度コンクリートを、国内で初めて43階建て超高層集合住宅に本格的に採用しました。これにより超高層建築でも、鉄筋コンクリート(RC)造のため、風による揺れが少なく、住戸内部に柱のない、広い居住空間を実現しました。
 今回実用化したのは、住宅・都市整備公団発注(基本設計:住宅・都市整備公団、(株)日本設計)のリバーシティー21北ブロックN棟です。建物の1、2階全ての柱48本にFC1000のコンクリートを用いました。
 超高強度材料を合理的に使用することにより、住居部の柱スパンを鉄骨造なみの9.5mとし、住居スペースの内部の柱をなくします。また、剛性の高いRC造のため、強風時や地震時における揺れが少なく、快適居住空間が実現します。躯体工事費では、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造や充填コンクリート鋼管構造(CFT)より10〜20%のコストダウンが図れます。
 超高強度コンクリートは、セメントメーカーで、普通ポルトランドセメント、スラグ石膏系混和剤、シリカフュームの3成分を事前にブレンドしたものに、生コン工場で骨材と高性能AE減水剤を練り混ぜて製造します。コンクリートの単位水量を厳密に管理して、高強度と高流動性(スランプフロー60cm)を保ちながら、現場での打設を容易にしました。実用化にあたっては、実大モデル実験による強度の確認を行いました。
 柱のすべての主筋には通常の2倍強度のSD685高強度鉄筋を、横補強筋には普通鉄筋の4倍強度の異形PC棒鋼(ウルボン)を採用しました。地下及び3階以上の柱には、FC800〜300の5種類のコンクリートを段階的に打設します。

 リバーシティー21北ブロックN棟では、3〜5月にFC1000コンクリートを800m3打設します。引き続き、6月からは、東京都住宅供給公社発注の台場1街区都民住宅(地上32階建て)の1、2階の全ての柱にも、FC1000コンクリートを250m3打設する予定です。
 今後、超高強度コンクリートの採用を、高さ200m程度までのRC造超高層住宅に対して、積極的に提案していきます。

 
■ FC1000コンクリートの調合例

スランプフロー  60cm
空 気 量 2%
水セメント比 21%
155kg/m3
セメント 738kg/m3
細 骨 材 648kg/m3
粗 骨 材 878kg/m3
高性能AE減水剤 2.8%


■リバーシティ21北ブロックN棟建物概要

・工事名称 リバーシティ21北ブロックN棟(民開)建設工事
・施工場所 東京都中央区佃2−50−4他
・発注 住宅・都市整備公団東京支社
・基本設計 住宅・都市整備公団東京支社、株式会社日本設計
・実施設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成・三井・長谷工建設工事共同企業体
・工事監理 住宅・都市整備公団東京支社
大成建設株式会社一級建築士事務所
大成・三井・長谷工建設工事共同企業体
・施工 大成・三井・長谷工建設工事共同企業体
(代表・大成建設株式会社)
・工期 平成9年1月31日〜平成12年5月31日
・用途 公団賃貸住宅
・敷地面積 6,631.79 m2
・延床面積 65,521.22 m2
・構造 鉄筋コンクリート造
・階数 地下2階、地上43階、塔屋1階
・高さ 軒高 134.55m 最高高さ 142.75m


リバーシティ21北ブロックN棟
 
リバーシティ21北ブロックN棟
基準階伏図・軸組図