「DNAシールド」に使用するセグメントの性能を実証

─トンネル高速施工法を公開実験─

 
【平成10年3月4日】大成建設株式会社

 大成建設(株)(社長・平島 治)は石川島播磨重工業(株)(社長・武井俊文)、石川島建材工業(株)(社長・岩本頴一郎)と共同開発したトンネル高速施工システム「DNAシールド工法」に使用する実大セグメントの性能実験を実施しました。電力、鉄道、下水道関係者約100人を前に行なった公開実験では、本セグメントの予定される特長をすべて確認するとともに、強度や耐力など性能の高さを実証し、地震や軟弱地盤に対しても適応力のあることが証明されました。

 「DNAシールド工法」は長方形の対偶から直角三角形を切り取った特殊な形状のセグメントを二重らせん状にワンタッチ継ぎ手を用いて、はめ込むことで、掘削機の掘進とセグメントの組み立てを同時に行う工法です。
 サイクルタイム(セグメント1リング分の掘削とセグメント組み立てに要する時間)を従来の1/2にすることができ、都市部でのライフライン構築などトンネルの長距離化に伴う高速施工の需要に応えることができます。

 実証実験では、特殊形状セグメントのワンタッチ継ぎ手に「ANEX」(ケー・エフ・シー社製)を採用しました。「ANEX」はアネクタ(雄金物)をコンダクタ(雌金物)に挿入するだけでセグメントをワンタッチで接合できます。従来のボルト接合方式と比べて、セグメントの組み立て時間が大幅に短縮でき、またコンクリート表面に金物が突出しないため、二次覆工の省略も可能です。

 都市部のトンネル工事は立坑用地の不足やコスト縮減のために立坑の数を減らす傾向にあります。このため立坑間が長距離化し、施工の高速化の要求が高まっています。
 今回の実証実験の成果をもとに、今後、長距離シールド工事に積極的に提案していきます。

 
DNAセグメント供試体添接曲げ試験
 
 
実証実験の概要
添接曲げ試験
 直線形状のセグメント(2.4m×1.2m)を2ピース突き合わせ、その両側にセグメントを添わせた供試体に対して4点載荷試験を実施。ひび割れなどの異常はみられず、十分な強度を有していることを確認。
ANEX継ぎ手試験
 継ぎ手の引き抜き実験では10tf以上、せん断試験では20tf以上の耐力を確認。いずれも本体のコンクリートを破壊せずに示した値であり、地震に対してもコンクリート表面にクラックが発生しないことを確認。
 
DNAシールド工法の特長
(1)掘進とセグメントの組み立てが同時に行えるため、高速施工が可能となり、これまでにない長距離掘進に対応。
(2)セグメントの形状が同一なため、連続供給に適している。
(3)セグメント幅の1/3〜1/4を掘削するとセグメント組み立てが可能になるため、長いジャッキが必要なく、シールド本体も長くならず、曲線対応も容易。
(4)セグメントの組み立て位置が対称で、かつジャッキがセグメントに垂直にあたるため、ローリングが発生しにくく、シールドの制御が容易。
(5)対称位置の2つのセグメントを同時につかむため、エレクタのバランスが良い。
(6)従来機械の掘進速度での施工が従来の掘削土処理設備を利用可能とし、設備面でのコストアップがない。
 
 
ANEX
ANEXはワンタッチジョイントの一種で、一度挿入されると雄雌の金物の摩擦により二度と抜けにくい構造である、ANEX鋼製であるため、剛性が高く、軟弱な地盤にも有効である。
 
■長所
1) ボルトボックスが不要のためセグメント価格が15%減。
2) セグメントの組立時間の短縮。
3) ボルトボックスのモルタル詰め作業がなく、内面が平滑。
 
 
 ANEX
引張力14tf
システムとしての引張力14tf(100%)
せん断HIGH
リング剛性HIGHER
MATERIALSTEEL ST37
 
[担当:技術本部技術開発第二部シールド・TBM工法開発室]