放電ショックで地質調査

―爆薬を使わない探査技術を開発―

 
【平成10年6月25日】大成建設株式会社
日立造船株式会社


 大成建設(株)(社長・平島治)と日立造船(株)(社長・南維三)は共同で、地盤内で弾性波を発生させる「放電衝撃震源装置を用いた地質調査技術」を開発しました。本技術の導入により、ダイナマイトなどの爆薬が使用できない都市部の地質調査が可能になります。また、爆薬に匹敵する衝撃力を有するために山岳トンネル掘削面(切羽)の100〜150m前方の地質を調査でき、より安全かつ経済的な施工を実現します。
 爆薬の保安上の問題などを解決する非火薬調査技術の開発により、地質探査の適用範囲が広がることになります。

 放電衝撃力は、液体に挿入した金属細線へ高電圧の電流を通すことで、金属を瞬時に溶解・気化させ、これに伴う金属ガスの膨張と液体の蒸気化により発生します。
 放電衝撃震源装置では、コンデンサーに高電圧の電気エネルギーを蓄積し、電子スイッチにより最大5万アンペアの大電流を放電カートリッジに流します。放電カートリッジ内の電極に接続した直径0.8mmの銅細線が瞬時に溶融・気化して、数万倍の金属蒸気体積に膨張する段階で衝撃波が発生します。銅線の周囲には燃焼性の特殊液体が充填してあり、衝撃波の作用で急速に燃焼して弾性波を地盤内に発生させます。
 発生する弾性波の大きさは特殊液体の量でコントロールでき、調査実験では爆薬を使用した場合と同等な100〜150m前方の調査も可能との結果を得ています。

 トンネル施工においては、切羽前方の軟弱層や断層破砕帯などを把握して、事前に対処することが重要課題となっています。最近、このトンネル切羽前方探査として、爆薬を使用した弾性波の反射波を利用する「TSP(Tunnel Seismic Prediction)法」が用いられています。しかし、都市部においては環境的な配慮から爆薬を使用できない場合が多く、調査が制限されていました。また、一般の調査では震源としてハンマー打撃やエアガンなどを使用してますがエネルギーが小さく狭い範囲の調査しかできないのが現状でした。

 今後、装置の小型軽量化を行い、今秋には1号機を完成させ、販売を開始する予定です。