電子地図情報を地震防災に活用

―「総合地震防災GIS」を開発―

 
【平成10年7月15日】大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・平島 治)は、電子地図情報システム(GIS=Geographic Information Systems)に地震被害のシミュレーションを搭載した「総合地震防災GIS」を開発し、顧客の地震対策の支援及び自社の地震防災活動に向けての運用を開始しました。GISは、面的な広がりを有する情報を地図上にプロットして、全体を体系的かつ視覚的に把握する場合に有効です。

 本システムは、関東地方を対象として、任意の震源に対する地表面での震度分布(最大加速度分布)、建物被災率及び出火率などを500mメッシュごとに計算して、地図上に表示します。対象地域の相対的な地震危険度を瞬時に把握し、事前の地震防災対策及び地震後の災害対策活動に役立つ情報を提供します。
 システムの中で、地震の震源は、その位置及び規模(マグニチュード)を任意に設定できます。また、地盤種別を16種類に分類し、地震動の強さに応じた増幅特性を与えることにより、震源からの距離、地盤種別に対応して、地表面での揺れの強さや周期特性を求めます。建物の被災率については、木造、RC造、S造などの構造種類ごとに、建築年代を反映した損傷度曲線(フラジリティカーブ)を設定しており、地盤の揺れの強さに対応した被災率が得られます。
 既存建物については、自社施工物件データベースとして、約1万4千件以上のデータがすでに登録済みで、それらが地震時に、どのような震度の地域にあり、どの程度の被害を受ける可能性があるのかわかります。より詳細な耐震診断や耐震補強の必要性を判断したり、地域の危険性を反映した地震防災対策の策定が可能となります。また、新築建物については、立地場所の地震危険度が事前にわかるので、それに基づいた設計条件の設定や地震防災計画を策定できます。
 さらに、実際の地震発生時には、公表された震源情報から、いち早く各地域での震度や被害状況を計算します。被害状況が公的に確認、伝達される前に、どの地域のどの建物にどれくらい要員を派遣するかなどの早期対応を決定するベースになります。自社においても、社員の安否確認や、避難の必要性、出社可能性などの判断に利用できます。

 今後、本システムの展開により、顧客及び社内に対する情報提供や災害時の支援をタイムリーに行います。
<担当部署:営業推進本部耐震推進部>