コンクリート躯体を高速施工

─滑動型枠「OSF(Open Sliding Form)工法」を実用化─

 
【平成10年7月1日】大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・平島治)は川鉄機材工業(株)(東京都江東区、社長・木村克夫)と共同で、鉄骨梁や大型ユニット鉄筋に対応できる機構を持ったスライディングフォーム工法「OSF(Open Sliding Form)工法」を開発しました。
 従来のスライディングフォーム工法と比較して、鉄筋組み立ての労務が約20%削減でき、システムの軽量化などを含め、型枠・鉄筋工事費で約10%のコストダウンが可能です。
 現在、さいたまスーパーアリーナの工事で実用化しています。

 スライディングフォーム工法とは油圧ジャッキで型枠を連続的に上昇させてコンクリート躯体を構築するものです。
 本工法では、型枠の位置および精度をガイドプレートとセパボルト(緊結材)で確保し、そのガイドプレートに沿って型枠と作業足場が油圧ジャッキにより上昇します。システムに一体に組み込まれた足場を使い、鉄筋の組み立てやコンクリート打設を行いながら連続的に躯体を構築します。また、上昇移動する型枠の上部を開放(Open)することにより、従来のスライディングフォーム工法では不可能だった鉄骨梁やブレース、大型ユニット鉄筋にも対応でき、省力化を図りながら短い工期で躯体が構築できます。

 従来のスライディング工法は、型枠の位置および精度を門型の鉄骨フレーム(ヨーク)で確保していたため、梁やブレースといった水平材と干渉し、さらに鉄筋の組み立て作業もヨークの下で行なわなければならず、多くの労力を必要としていました。
 今回、さいたまスーパーアリーナでは、大屋根を支持する半円形の耐力壁の施工に本工法を導入しました。この壁は直径120m(延べ長さ約220m)、高さ33.5mで、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造と鉄筋コンクリート(RC)造が混在した構造です。1階あたりの鉄骨量が40t、鉄筋量が85tと非常に多いことが特徴です。また、1階あたりのコンクリート量は約1,750m3となります。
 本建物の半円形耐力壁を効率良く施工する技術として「OSF工法」を採用したことによって、高品質で、労務を削減した高速施工を進め、良好な成果をあげています。

 今後、大型サイロや高層煙突、高速道路の橋脚などの大型構造物にも積極的に採用する方針です。