画期的な省エネ性能を発揮!

─窓面温度から室温の変化を予測するスキンロード制御空調システムを開発─

 
【平成10年2月25日】大成建設株式会社

 大成建設?(社長:平島 治)は、窓面の放射温度をセンサで感知して、ガラス・壁面からの熱の出入り(スキンロード)を予測するスキンロード制御空調システムを開発しました(特許出願済)。従来の空調方式に比べ、冬期で約40%、年間でも約10%のエネルギーを削減する省エネ型空調システムです。
 昨年9月に技術研究所内に完成した「空調システム実験室」で性能評価実験を行い、今回その有効性が実証されました。

 窓際および外壁側の室内空間部分をペリメータゾーンと言い、日射や外気温度など外部の熱変化の影響が大きいため、通常その部分を他と区分してファンコイルユニットなどで冷暖房を行っています(ペリメータ空調)。ペリメータゾーンの内側をインテリアゾーンと言い、大型ビルでは照明やOA機器、人間などからの発熱を冷やすために年間を通して冷房運転しています(インテリア空調)。
 従来の空調方式では、空気温度センサによって検出した室温と設定温度を偏差として制御する方式が主流ですが、

 
室温が変化してから空調を制御するため反応が遅い。
センサがインテリア空調の気流の影響を受けるとペリメータ、インテリア両ゾーンの空調機がお互いに干渉しながら運転してしまい、冬期にはペリメータ側の温風とインテリア側の冷風の混合によるエネルギーの損失が生じる。
 
などの欠点があります。
 
 今回開発したスキンロード制御空調システムは、ペリメータ空調機によりスキンロードのみを除去し、内部発熱はすべてインテリア空調機によって処理する方式です。従来の混合損失を解消し、室温を設定値に効率良く維持する特長があります。
 技術研究所内に新設した外界気象が再現可能な「空調システム実験室」(※)を用いて、従来方式とスキンロード制御方式の比較実験を同一条件下で行い、スキンロード制御の有効性を実証しました。
 冬期模擬実験の結果、空調機の処理熱量はスキンロード制御の方が約40%小さくなることが確認できました。ペリメータとインテリアで空調機が暖房・冷房と運転状況が異なる冬期において、特に有効です。

 今回の実験結果をもとに実用化に向けて、提案していく方針です。
 なお、本制御システムの開発は山武ハネウェル?と共同で実施し、実験にあたっては九州大学工学部建築学科渡辺研究室の指導を受けています。

 
※空調システム実験室
 平成9年9月、技術研究所・環境研究棟内に全面改装の上、設置。
 主にオフィスを対象とした空調システムの詳細な性能評価が可能な先進的実験室。
 オフィスを正確に模擬した中央の対象室に接して、ペリメータ側には外気条件、日射などを正確に模擬するための外気チャンバーを設け、両サイドには隣室の温度を模擬できる隣室チャンバーを設けています。
 制御には、DDC(Direct Digital Control)を全面的に採用し、中央対象室の空調システムはプログラミングにより自由な制御を行なえるほか、外気チャンバーや隣室チャンバーの温度変動も可能にしました。
 
スキンロード制御方式スキンロード制御方式の特徴
 
[担当:技術研究所 環境研究部 建築環境研究室]