真空パワーが2トン部材をワンタッチ装着

─── セグメント高速組み立て用「バキュームエレクタ」を開発 ───

 
【平成10年2月19日】大成建設株式会社

 大成建設?(社長・平島 治)は三菱重工業?(社長・増田信行)と共同で、シールドトンネルのボルトレスRCセグメントを真空吸着し組み立てる、セグメント組立て装置「バキュームエレクタ」を開発しました(特許申請中)。セグメントの組み立て時間を短縮するとともに、組み立て作業の省略化により安全性も向上します。地下鉄12号線環状部新宿・大久保工区建設工事で実用化し、良好な結果を得ています。
 従来のセグメント組み立ては、エレクタに取り付けた吊り金物をセグメントにネジ込み、作業員が固定用ピンを挿入し、油圧ジャッキで固定、把持しながら所定場所に設置した後、作業員がピンを抜き取り吊り金物をセグメントから外すという動作を行っています。
 今回開発したバキュームエレクタはセグメントの把持・離脱を作業員の手を介さずに、真空圧を利用して行う装置です。
 まず、把持(吸い付け)はセグメントの所定位置にエレクタの吸着パッドをあて、遠隔操作により瞬時に行います。組立て後は真空圧を抜き、離脱させます。従って、重い吊り金物を運ぶ必要がなく、安全かつ高速な組立てが可能になりました。
 バキュームエレクタの機構は真空ポンプ、3分割の吸着パッド、排気用レザーバタンク、安全装置、操作盤などで構成されます。
 真空ポンプの吸着力は9t/m2であり、約8.8tまで吊り上げ可能です。今回導入した工事では、最重量のセグメントが約2tであり、4.2倍以上の安全率が確保されています。
 安全装置はセイフティピン、安全回路、停電時の脱落防止、誤操作防止のインタロック、警報装置などがあります。セイフティピンは衝突・急停止・既設セグメントへの押し付け時のズレおよび落下防止の役目をします。
 実物大試験の結果、施工性、安全性、高速性の面で期待通りの効果が確認できました。
 今回、実施工(φ5.3m)での動作確認でも良好な結果が得られており、今後、セグメント搬送台車からエレクタへの供給までを含めて、システム化することで、より高速化を図る予定です。
 
「バキュームエレクタ」 「セグメントの装着」 「吸着パッドとセイフティピン」
 
「バキュームエレクタ図」 「中央グリップ」 「セイフティピンとピッチングジャッキ」
 
 
〔バキュームエレクタの特長〕
 1.セグメントの把持、離脱作業に作業員の介在が不要で、吊り金物の運搬がなく安全
 2.セグメントの組立時間を短縮
    23分→21分/リング
 3.セグメントを把持するための加工は不要
 4.衝撃時にはセイフティピンが働き、ズレ・落下を防止
 5.停電に対して20分以上セグメントを保持
 
〔バキュームエレクタの仕様〕
 セグメント :  ボルトレス・セグメント
 真 空 圧 :  80%〜90% (152mmHG〜76mmHG)
 真空ポンプ :  3.7KW
 レザーバタンク :  240L
    90m3/h
 吸着パッド :  クロロプレンスポンジ
     吸着面積 9,780?2
 
 
[担当:技術本部技術開発第二部シールド・TBM工法開発室]