使用済み発泡スチロールを有効利用

─── 高品質軽量断熱部材を実用化 ───

 
【平成10年2月12日】大成建設株式会社

 大成建設(株)(社長・平島 治)は、使用済み発泡スチロールを骨材に再利用した高品質軽量断熱部材を開発、実用化しました。
 発泡スチロールは、国内で年間22.5万トン(1996年実績)生産されており、うち18万トンが廃棄物になっています。そのうちの再資源化率は29%弱にとどまっており、地球環境保全上もリサイクル率の向上が課題になっています。
 軽量で断熱性にすぐれた特性をもつ発泡スチロールですが、コンクリート骨材への応用例はほとんどありませんでした。当社では、発泡スチロール廃棄物を粉砕し、その表面に無機粉体をまぶしたり、特殊加熱処理をすることにより、安定した超軽量細骨材を製造します。これをセメント、水、さらに特殊増粘剤、微細気泡と混ぜることで、吸水率が大幅に少なく、断熱性能にすぐれた軽量断熱部材を実用化しました。
 この軽量断熱部材をLNG地上タンク防液堤に適用したのが、商品名「ハイパルン」と呼ばれるものです。「ハイパルン」は、発泡スチロール廃棄物を処理して得た骨材が、製品の容積の50%以上を占める配合になっています。そのため、吸水率が従来製品の50%程度に大幅に低減した他、断熱性能にすぐれ、表面防水を不要にしました。コスト面でも従来に比べ、約20%の削減を可能にしました。また、製品の表面は、通常コンクリートと同様に平滑で、発泡スチロール粒子が全く見えない状態です。なお、耐火性については、準不燃性であり燃えず、安定した性状を示します。
 「ハイパルン」は、工場製造によるパネル化のほか、現場打設による製造も可能です。パネルの場合の1枚の大きさは 400mm× 600mm、厚さ50mmを標準としています。
 軽量部材の基本的構成の混合比率や種類を変えることにより、外壁、間仕切パネル等の一般の軽量断熱部材としても適用できます。地球環境保全につながる発泡スチロール廃棄物の有効利用の一環として、今後、本部材の適用を積極的に展開します。
 
■「ハイパルン」性能概要
 ※従来の部材との比較
 「ハイパルン」従来の断熱材
(黒曜石使用)
密 度(g/cm3)0.560.54
圧縮強度(?/cm2)32.658.0
半面吸水量(g/cm2)15.3527.21
熱伝導立(kcal/mh℃)0.0900.135
 
発砲スチロール廃棄物の粉砕品「ハイパルン」適用LNG地上タンク防液堤壁面部
 
[担当部署:技術研究所材料研究部建築材料研究室]