ローコスト免震戸建住宅を開発

─── 3階建てパルコンを「両面すべり支承」で揺れを防ぐ ───

 
【平成10年2月4日】大成建設株式会社

 大成建設(株)(社長・平島 治)は、戸建コンクリート住宅「パルコン」の3階建てを対象に、新型の免震装置「両面すべり支承」を開発し、ローコスト免震戸建住宅の実用化にめどをつけました。  阪神・淡路大震災以来、免震技術が注目を集めていますが、大規模なビルとは異なり、戸建住宅は建物が小規模なため、免震適用時のコストアップの割合が大きくなりすぎるという問題がありました。また、建物が軽量であるため、積層ゴム支承の免震では、地震時に装置が破損する恐れがあります。転がり免震を適用しても、風の影響を受けやすくなります。
 そこで、当社は、戸建住宅に適用できる免震装置「両面すべり支承」を開発しました。「両面すべり支承」は、当社で展開中の「ハイブリッドTASS構法」に使われている「弾性すべり支承」を発展させたものです。装置コア材の上下を滑らせることで、建物に伝わる地震の影響を弱めるしくみになっています。シミュレーションで、免震化により、建物への地震動の入力が約5分の1から8分の1になることが確認されました。
 すべり現象を利用しているため、装置の構造が単純で、量産可能となり、コストダウンが図れます。本免震装置の開発により、4000万円程度の3階建てコンクリート住宅「パルコン」を免震化した場合、450万円程度以下のコストアップに抑えることを目標にしています。
 3階建て住宅への免震の採用により、耐震壁の量を少なくし、より広く、自由度の高い間取り計画が出来ます。また、1階の床をフラットスラブにすることにより、基礎を単純化し、支承のセッティング精度を高めるとともに、施工の合理化を図っています。
 具体的な用途としては、医院、店舗併用住宅、2世帯・3世帯同居住宅、SOHO(スモールオフィス ホームオフィス)対応住宅などが主な対象です。ソーラ発電や電気温水器(飲料水貯留)などと組み合わせた防災対応住宅も実現できます。今後、性能確認実験などを踏まえ、商品化する予定です。
 
 
←両面すべり支承による免振効果
 下のグラフは「兵庫県南部地震 神戸海洋気象台観測データ」を入力波形にとり、現行の パルコンとパルコンに両面すべり支承を適用した「免振戸建て住宅」での1F床応答加速度を比較したものです。免震化により、建物に入力される地震動の最大加速度応答値が約1/8 程度に低減されています。
 
[担当部署:営業推進本部耐震推進部]