移動式防災支援拠点構想について

―浮体構造物で海上を自由に移動―

 
【平成10年8月26日】
大成建設株式会社
新日本製鐡株式会社
パシフィックコンサルタンツ株式会社
日本開発銀行


 大成建設(株)(社長・平島 治)、新日本製鐡(株)(社長・千速 晃)、パシフィックコンサルタンツ(株)(社長・丸岡文雄)、日本開発銀行は、移動式防災支援拠点研究会(座長:東京商船大学・高橋洋二教授)を平成9年4月に設立し、このたび、浮体構造物による海上からの防災支援拠点構想をまとめました。阪神大震災発生時に、海上からの防災支援活動が効果的であった教訓から、海上アクセスによる本格的な防災支援施設を提案します。

 本構想の施設は、防災支援対象を1万人と想定した場合、喫水が浅くできる、鋼 製またはコンクリート製のバージ方式で、延べ床面積が1万5千m2(長さ90m×幅60m×高さ12m、施設内2層+甲板+建屋)、構築費は約20億円(鋼製の場合)です。被災数日後から数ヶ月程度の期間における復旧支援、避難生活支援対応として、船舶の応急利用より多目的で使いやすく、また支援機能に特化することで、施設規模やコストを抑えた移動可能な防災施設となっています。具体的な施設規模・形状等は、防災需要や設置場所などにより決定します。
 海上移動を前提とした浮体施設なので、当該施設で広範囲の防災支援活動が可能 であり、効率的な利用が図れます。支援対象は海岸沿いの大都市部が中心となりま すが、離島や半島部などの孤立しやすい地域への適用も可能となっています。また、 可動式渡り桟橋により、被災した岸壁へのアクセスも容易にできます。
 防災支援機能は、以下の通りです。

  1. 船舶からの緊急物資荷揚げ機能、緊急ヘリポート、緊急物資等の荷捌き機能。
  2. 緊急物資、復旧資機材等の保管機能。
  3. 陸揚げ用の可動式渡り桟橋、接岸機能。
  4. 防災センター機能。
  5. 食堂、風呂、トイレ、救急医療等の避難生活支援機能。
 また、平時は、臨海部の中核都市や大都市に設置して、港湾施設や海上公園、駐 車場等として活用し、被災時に被災地へ移送して防災支援活動を行います。

 本施設の整備主体としては、防災施設という性質上、国または地方自治体が適し ていると考えます。また、一つの施設で広範囲をカバーできるため、複数の自治体 が共同で所有管理することで、各々のコスト負担が軽減できます。今後は、本研究 会として、積極的に本構想を提案していきます。

[本件に関するお問い合わせ先 ]
研究会事務局:大成建設(株)土木営業本部営業部
Tel 03-5381-5487