二枚の羽根で地下高水圧を安定制御

─ 大深度土圧式シールド掘削の切羽圧制御装置
       「ツインスクリュー」を開発 ─

 
【平成9年10月30日】大成建設株式会社

 大成建設(株)(社長・平島 治)は石川島播磨重工業(株)(社長・武井俊文)と共同で、2つのスクリューを噛み込ませた高水圧対応型排土機構「ツインスクリュー」を開発しました(特許申請中)。これにより従来大深度に対応していた泥水式シールドに比べて経済的な土圧式シールドを使っての掘削が可能になります。都市部の地下過密化を解消する大深度地下開発をコストダウンできます。
 都市部における地下トンネルの構築は、シールド工法による掘削が主流であり、工法の種類としては「泥水式シールド」と「土圧式シールド」に大別されます。両工法をコスト面で比較すると、設備が小規模で、地上用地が狭くても施工できる土圧式の方が有利です。しかし、土圧式の場合、大深度になると切羽(掘削面)が高水圧になり、排土機構であるスクリューコンベアから土砂が噴出してしまい、安全な掘削が困難になります。このことが大深度で土圧式が使われにくい理由でした。 この欠点を解消するため、地下水圧10kgf/cm2(地下100m程度)まで切羽圧を自動制御する本装置を開発しました。
 今回開発した、排土機構内に組み込む切羽圧制御装置「ツインスクリュー」はスクリューコンベアにもう1本のスクリューコンベアを逆向きの螺旋状に噛み込ませる機構です。従来のシングルスクリューの場合は切羽から排土口までが開放空間になっていましたが、2本の羽根を噛み込ませることで空間を遮断でき、高圧下での掘削が安全に行えます。
また、スクリューの回転速度を調整することにより幅広い切羽圧の条件下で安定した掘削が可能になりました。
 既に実証実験では良好な結果が得られており、今後、大深度地下掘削工事に積極的に提案する方針です。
 
 〔ツインスクリューの特長〕
1.  スクリューコンベアからの土砂の噴出を防止できる。
2.  切羽圧を変動させることなく、安定制御できる。
3.  切羽圧10kgf/cm2(地下100m程度)の大深度まで対応可能である。
4.  機械的でコンパクトな止水機構である。
5.  土砂を密閉状態で排出するため、掘進速度に応じた掘削土量管理が容易に行える。
6.  礫を含んだ土質など適用範囲が広い。
 
 〔仕 様〕
輸送能力  :   100m3/時間
回転数  :   0〜24rpm
先端羽根径  :   φ517×P425×φ200×t25
薄肉羽根径  :   φ570×P420×φ220×t60
厚肉羽根径  :   φ570×P420×φ220×t358
以 上
 
[担当:技術本部技術開発第二部シールド・TBM工法開発室]