地中の鉄骨杭を水で切断

─── 無振動無騒音で地中杭を引き抜く「UPC工法」を実用化 ───

 
【平成9年12月24日】大成建設株式会社

 大成建設(株)(社長・平島 治)は(株)カコー(東京都千代田区、社長・伊東 昭)と共同で、強力なジェット水流により既設のH鋼杭を地中の任意の位置で切断し、無振動無騒音で引き抜くUPC(Underground Pile Cutting)工法を実用化しました(特許申請中)。住宅密集地などの振動・騒音が出せない場所での鉄骨杭撤去に有効な工法です。現在、宮川橋梁架替工事(神奈川県横浜市)で実用化しています。
 本工法は、メガネ型ケーシング(鋼管)、ケーシング圧入装置、切断装置などから構成されます。
 メガネ型ケーシングは切断装置をH鋼杭に沿って、所定の深さにセットするための鋼管です。2本の鋼管を帯鋼で結んで一体化し、切断位置にはあらかじめ幅10mmのスリットが開けてあります。
 ケーシングの圧入は、切断するH鋼杭から反力をとり、VSL圧入ジャッキを用いて行います。
 切断装置には狭いスペースにセットできるアブレシブジェット(水圧2,450kg/?2)を用いています。アブレシブジェットはジェット水流に研磨剤(ガーネット)を混入し、高速に加速された研磨剤で鋼材やコンクリートを切断する技術です。H鋼杭の両サイドを片方づつ切断し、最後に切断された杭とケーシングを撤去し、一連の作業を終了します。
 今回、宮川橋梁架替工事では仮設構台の杭撤去に本工法を導入しています。本工事では施工場所が京浜急行線や工場と近接しているため、従来の振動工法では撤去が不可能でした。そこで河川内のH鋼杭235本を河床より1.5m下で切断・撤去するためにUPC工法を採用することになりました。
 今後、振動・騒音などの周辺環境に配慮した工法として活用していく方針です。
 
  【「UPC工法」施工手順】
1. 準備工(桟橋覆工撤去、H鋼杭不要物撤去、反力金物取付・溶接)
2. ケーシング圧入(ケーシング建込、圧入装置セット、ケーシング圧入、圧入装置撤去)
3. H鋼切断工(切断装置セット、アブレシブジェット切断、切断装置撤去)
4. 撤去工(H鋼引き抜き、ケーシング引き抜き)
5. 完了
 
  【参考】
工事名称: 金沢文庫駅〜金沢八景駅間宮川橋梁架替工事 平成9年度土木工事
施工場所: 神奈川県横浜市金沢区大川21番地先
事 業 者: 横浜市
発 注 者: 京浜急行電鉄?
設 計 者: 京浜急行電鉄?
施 工 者: 大成・京急建設・大豊共同企業体
工   期: 平成9年11月〜平成10年3月
概   要: 横浜市の宮川改修工事に伴い、現鉄橋の橋台・橋脚が河川の法線に支障するため、現鉄橋の架け替え工事を行う。9年度工事は桟橋撤去、締切撤去ほかを行う。
「UPC工法」
  工事数量
: 撤去H鋼杭235本 (350*350*12*19:156本、300*300*10*15:79本)
 ケーシング79セット (φ267*2連:52セット、φ216*2連:27セット)
 
 
ケーシング圧入 切断装置セット

[担当:横浜支店宮川工事(作)]