安くて強い吹付けコンクリート

─── ポリプロピレン繊維混入でコスト35%削減 ───

 
【平成9年12月17日】大成建設株式会社

 大成建設(株)(社長・平島 治)は、萩原工業(株)、ブイ・エス・エル・ジャパン(株)、日豊商事(株)と共同で、従来より安くて、強度を保つ、ポリプロピレン繊維混入の吹付けコンクリートを開発しました。
 従来、トンネルの吹付けコンクリートには、主にスチールファイバーと呼ばれる補強繊維を混入し、強度を保っていました。しかし、コスト面で高く、同程度の性能で、より安い補強繊維の開発が求められていました。
 今回、長さ 30mmのポリプロピレン繊維を、一定量混入した吹付けコンクリートを開発しました。繊維の形状を凹凸のある扁平断面にして、曲げ強度および曲げタフネスなどを従来のスチールファイバー入りコンクリートと同程度にしました。比重は 0.91と軽く、標準的な使用量は、コンクリート 1m3 あたり容積1%で重量9.1kgと、スチールファイバーの 11.5%の重量ですみます。コストも同じく 35%ダウンを実現しました。
 本コンクリートの特徴は下記の通りです。
1) 表面形状を特殊な加工で凹凸のある扁平断面にして、コンクリート破断時の繊維の抜けが起こりにくくなった。
2) 水をはじく性質を有する繊維の表面に、親水性を持たせるための特殊表面加工を行い、繊維がセメントコンクリートになじむようにした。
3) コンクリート中への繊維の分散性を良好にするために、表面に特殊な界面活性剤を塗布し、コンクリート中にファイバーボール(繊維の固まり)ができない。
4) 耐アルカリ性に優れ、スチールのような錆が発生しない。
5) 比重が軽いため、材料搬入や混入作業が軽減される。
6) 吹付け作業時に繊維の踏み抜きの危険性がない。
7) ミキサやコンクリートポンプ車の損耗が極めて小さい。
8) グレーに着色したため、トンネル内の運転者に光が反射しない。
 今後、本材料は、需要拡大が予想されるトンネルの吹付けコンクリートに加えて、道路・橋梁の舗装や建築の土間・スラブなどへの展開を図ります。特許については、4社共同で出願中です。商品名は「バルチップM」とし、販売窓口は、萩原工業(株)(電話 086-440-0830)が担当、初年度400トンの売上目標を立てています。
 
 
(参考)
 萩原工業(株) 本社・岡山県倉敷市  社長・萩原邦章
 ブイ・エス・エル・ジャパン(株) 本社・東京都新宿区  社長・沖藤 明
 日豊商事(株) 本社・東京都渋谷区  社長・野崎龍馬
 
(吹付けコンクリートの強度試験結果)
 コンクリートの種別:セメント 430kg/m3 水セメント比50%
繊維の種類混入率
(%)
曲げ強度
(kgf/?2)
曲げタフネス
(kgf/?)
バルチップM1.060.7279
バルチップM1.561.5301
スチールファイバー1.058.2255
以上
[担当:建築本部技術計画部内外装技術計画室]