外壁パネルがフリークライミング

─── オーバーハングした建物の外壁版取り付けシステムを実用化 ───

 
【平成9年12月8日】大成建設株式会社

 大成建設(株)(社長:平島 治)は、巻き上げ用ウィンチを用いて揚重することにより、壁がオーバーハング(せりだし)状態でも、外壁パネルを取り付けることができる新システムを開発し、東京湾横断道路・川崎人工島の換気塔建設工事に適用しました。風の影響を受けず、パネルの位置決め・微調整・固定などのすべての作業を昇降枠上で行えるため、安全かつ効率よく施工を完了しています。
 川崎人工島に建設中の換気塔は、傾けて建てた2本の円柱を各々斜めに切断した形状をしているため、その施工には高い精度が要求される上、特に外壁がオーバーハング状態になっている円筒面の傾斜側では、下部が建物頂部より10m以上も内側に入り込んでおり、通常のクレーン作業では外壁パネルの取り付けは不可能でした。
 今回開発したシステムは、揚重の際にパネルを沿わせるガイドレールをあらかじめ躯体の鉄骨に仕込んでおき、上階に設置したウィンチにより躯体に沿って外壁パネルを取り付け位置まで揚重する方式です。ガイドレールに沿って昇降する枠、巻き上げ用ウィンチ、ワイヤを案内する滑車などにより構成されています。
 本システムを本年3月から7月までの4ヶ月間、換気塔のオーバーハング部の外壁施工に適用し、外壁パネル(約17m2、約3.3t)150枚の揚重・取り付け作業に用いました。施工場所が海上であるため、常時強い風が吹いていましたが、本システムは風の影響を受けず、またクレーン作業で行われる“パネルの引き込み”などの危険作業もなく、安全に工事を進めることができました。
 風の影響を受けにくく、かつパネルの引き込みなどの危険作業がないため、特殊な形状の建物において安全に作業を行うことが可能となります。
 

 
 
[担当:技術本部技術開発第一部機械システム開発室]
 
以上