週刊誌コラム
週刊新潮「タワークレーン」
マクワウリが 特産品だった 新宿の成子坂
東京メトロ丸ノ内線の西新宿駅を出て青梅街道を西へ歩くと、道はゆっくりした下り坂になっている。これが
成子坂は鳴子坂とも書かれた。鳴子は、
鳴子はともかく、このあたりは江戸時代にマクワウリの特産地で有名だった。青梅街道沿いの北側に菅原道真をおまつりする成子天神 社があるが、その参道入口に「江戸、東京の農業 鳴子ウリ」と題してJA(農協)が立てた解説板がある。
その説明によると、江戸に幕府を開いた徳川家は、
元禄時代(一六八八−一七〇四)に新宿に宿場が開かれたため栽培は盛んになり、当時四谷ウリとか鳴子ウリと呼ばれて明治にいたる まで有名な特産品だった。鳴子ウリは外観は緑色で、表面に細い緑の筋があり、熟すと甘い香りとともに黄色く色付く。果肉は緑色で、 甘味に富んでいた。フルーツが少なかった時代だから水菓子として貴重な野菜だったと強調している。
マクワウリは新しい時代に姿を消したが、近縁種の西洋系メロンとうまく交配されてフルーツとして歓迎されている。プリンスメロン などがそれである。
(掲載号:08月06日号)
