週刊誌コラム
週刊新潮「タワークレーン」
江戸の音 神楽坂と 浄瑠璃坂
新宿区には、歴史や由緒を感じさせる地名が多い。JR中央線飯田橋駅から市ヶ谷駅あたりの外濠は、もとは麹町台地と市谷・牛込台地の間を流れていた深くて小さな谷川だったらしい。それが江戸時代の初め、徳川幕府による大規模は江戸城
市ヶ谷駅ホームからは、満々と水を湛えた外濠を眺めることができる。対岸の市谷・牛込台が外濠に向かって落ち込んでいるから、ここには幾つもの坂が並んでいる。
市谷橋を渡ると、
北へ行って保健会館に入る坂道が
さらに百メートルほど北の坂道。日本福音ルーテル市ヶ谷教会わきに「
〈
下谷には
浄瑠璃坂では、寛文十二年(一六七二)に宇都宮藩の奥平源八(十六歳)が坂上に隠れ住んでいた父の仇を討つという事件があった。坂の名の由来は明らかではないが、坂上で操り人形の浄瑠璃芝居が掛かったという節もある。
神楽坂も神楽演奏に由来するが、市谷八幡の祭礼をはじめ、近くの若宮八幡、赤城神社、高田穴八幡、
(掲載号:05月04・11日号)
