週刊誌コラム
週刊新潮「タワークレーン」
西方浄土 九品仏の 阿弥陀像
東急大井町線の
浄真寺は広さ約十二万平方メートル(三万六千坪)。戦国時代に築かれた奥沢城の土塁が今も周辺に残り、境内には樹齢七百年といわれるカヤ(都指定天然記念物)など古木が多い。
参道は総門まで約百五十メートル。両側の樹木にサトザクラ、クロマツ、マテバシイなど丁寧に名札が付いている。樹皮の滑らかな高木に解説があった。「ムクロジ 昔、種子を追い羽根の珠に、果皮を石けんに使いました」。閑静な参道が小さな植物園になっている。
総門を入って西に折れると重厚な二層の仁王門に面する。一対の仁王像、楼上に阿弥陀如来と二十五菩薩像が安置されている。この仁王門を潜ると西方浄土の世界という寺院配置なのである。
浄真寺の開山は江戸時代初期の高僧
仁王門を入ると右手に本堂が西を向いて建てられている。中庭を隔てて本堂と向き合うように東を向いて三つのお堂が並ぶ。これが三仏堂で、北から
本堂が現世、向かい合った三仏堂が西方浄土を表しており、本堂に安置された釈迦如来が浄土を望み、三仏堂の阿弥陀様が西方から衆生済度を約束してくれるのである。
三年に一度、八月十六日に行われる「お面かぶり(
(掲載号:10月27日号)
