週刊誌コラム
週刊新潮「タワークレーン」
八雲は 校名や 地名に
東急東横線都立大学駅の西方を走る目黒通り北側の目黒区八雲には、境内にケヤキやアカガシの老木がそびえる八雲氷川神社が鎮座している。地名の八雲は、神社名にちなんで昭和39年に誕生した。
八雲は、和歌の初めといわれる同神社の祭神・須戔嗚尊 が詠んだ「八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣つくるその八重垣を」に由来している。神社に隣接する区立八雲小学校は、神社の敷地にあった建物を利用して区内で最も早く開校した小学校である。明治7年のことで、地名より90年も前に八雲を名乗った。
八雲の“本家”氷川神社は旧衾村の鎮守で、本殿の棟札に安政4年(1857)、内部の神霊殿に文化14年(1817)奉納の記載があるが、創建年代はわからない。『新編武蔵風土記稿』にも「草創の年歴詳ならず、されど境内のさまで見るに年ふる松樹その餘諸木繁茂して、いかにも舊( き社地と見えたり」とある。
昔は癪( ・腹痛封じに効験あらたかなお宮として知られていた。境内には、遠方からの参拝者のための宿泊所が建てられていたほどだったという。
特に神木のアカガシの皮を煎じて飲むと効き目があるといわれ、皮をはぐ参拝者が絶えず、とうとう神木は枯れてしまった。今、本殿裏に枯れた神木の大きな株がしめ縄を掛けられて保存されている。
一の鳥居をくぐった右手には、「くずれ地蔵」と呼ばれる顔などがいびつなお地蔵さまがお堂に祀られている。昔は近くの辻にあったもので、体が痛むとき、お地蔵さまの同じ部位をなでると治ると伝えられていて多くの人になでられたため、次第にくずれて現在のような姿になってしまった。
そのお地蔵さまは、今、赤いよだれ掛けを掛けて季節の花に囲まれている。くずれ地蔵を、八雲の人たちは優しくいたわっている。
村名の起こりについては、衾は寝るときに体に掛ける夜具であり、村の地名が衾を広げたときの形に似ているからとするのが1番もっともらしい。馬の飼料にする小麦をひいたときに残る「麩( 」起源説は字が違うので、ちょっと無理がありそうだ。
八雲は、和歌の初めといわれる同神社の祭神・
八雲の“本家”氷川神社は旧衾村の鎮守で、本殿の棟札に安政4年(1857)、内部の神霊殿に文化14年(1817)奉納の記載があるが、創建年代はわからない。『新編武蔵風土記稿』にも「草創の年歴詳ならず、されど境内のさまで見るに年ふる松樹その餘諸木繁茂して、いかにも
昔は
特に神木のアカガシの皮を煎じて飲むと効き目があるといわれ、皮をはぐ参拝者が絶えず、とうとう神木は枯れてしまった。今、本殿裏に枯れた神木の大きな株がしめ縄を掛けられて保存されている。
一の鳥居をくぐった右手には、「くずれ地蔵」と呼ばれる顔などがいびつなお地蔵さまがお堂に祀られている。昔は近くの辻にあったもので、体が痛むとき、お地蔵さまの同じ部位をなでると治ると伝えられていて多くの人になでられたため、次第にくずれて現在のような姿になってしまった。
そのお地蔵さまは、今、赤いよだれ掛けを掛けて季節の花に囲まれている。くずれ地蔵を、八雲の人たちは優しくいたわっている。
村名の起こりについては、衾は寝るときに体に掛ける夜具であり、村の地名が衾を広げたときの形に似ているからとするのが1番もっともらしい。馬の飼料にする小麦をひいたときに残る「
(掲載号:02月05日号)
