週刊誌コラム
週刊新潮「タワークレーン」
目黒川 船入り場 資料館
目黒川は、それぞれ玉川上水の分流である烏山川と北沢川が合流する世田谷区池尻から目黒区内をほぼ山手通りと並行して南東に流れ、品川区東品川で東京湾に注いでいる。延長8km弱、その半分は目黒区内になる。
江戸時代に主に農業用水として利用された。明治以降は流域にできた工場の資材や製品の運搬路にも使われた。しかし川底が比較的浅く、台風や集中豪雨に見舞われるとすぐに洪水を起こす暴れ川でもあった。
水害は、流域の都市化が進むほど度重なるようになった。いわゆる都市型水害で、雨水が地中にしみ込みにくくなった上、洪水を防ぐ調節池の役割も果たしていた田圃などが失われたためである。その対策として護岸改修や道路の透水性舗装の他、平成3年、地下式調節池が設けられた。
東横線・東京メトロの中目黒駅から山手通りを南に進んで駒沢通りとの交差点を渡ると、左手の目黒川沿いに広場がある。「船入り場」と呼ばれているところで、この地点の川幅はやや広くなっている。
船入り場は船着き場のことで、昭和初期、この辺りに急増した工場の船運のために設けられた。しかし川底が浅かったのと自動車の発達で、ごみの運搬くらいにしか使われなかったという。
調節池はここの地下にあって、増水時には55,000tの水を貯留して洪水を防ぐ。調節池の上は広場だけではなく区立「川の資料館」(土、日曜日、祝日だけ開館、無料)が建っている。同館では、目黒川の移り変わりなどが映像やパネルで紹介されている。
目黒川にはまた、新宿区の落合下水場から水質改善用の処理水が送水されている。このためボラ、ハゼなどの魚影が復活した他、それらを餌とするコサギなども飛来するようになった。
(掲載号:07月08日号)
