週刊誌コラム
週刊新潮「タワークレーン」
目黒と 白金の 山手七福神
新しい年の開運を祈る初春の七福神巡りが、最近ますます盛んなようである。七福神の個々の信仰は室町時代あたりから始まり、江戸時代になって七福神の集合体が形成されたといわれる。
初詣と行楽を兼ねたところが受けたのだろうが、それにしても東京都内は大げさにいうと七福神のオンパレードの観がある。
ざっと調べただけでも谷中、隅田川、下谷、浅草、亀戸、深川、日本橋、山手、東海、荏原などの七福神がある。うっかりすると、どれがどの七福神に属するのかわからなくなってしまいそうである。
事実、山手七福神は2組もあるのだから、間違っても不思議はないといえる。目黒区と港区にわたる七福神と、新宿区内のものが共に山手を名乗ってるわけで、ここでは前者をご紹介しよう。
インドや中国の神が多い七福神の中でただ一体日本古来の神さまであり、商売繁盛のご利益がある恵比寿さまは下目黒の滝泉寺、つまり目黒不動尊の境内に祀られている。ただ一体の女神で、音楽・芸術の上達に効験あらたかな弁財天は、岩屋弁天で名の高い同じ下目黒の蟠竜寺にある。
五穀豊穣、実りのシンボルである大黒天はJR目黒駅に近い行人坂途中にある大円寺で、同寺は明和9年(1772)の大火の犠牲者供養のために作られたともいわれる五百羅漢の石像があることでも知られている。
幸福・財産・長寿に霊験がある福禄寿と学芸・智恵・長寿の寿老人は「白金妙見」の妙円寺、豊かで円満な家庭の守護神布袋尊は瑞聖寺、財宝を守り、災難をよける毘沙門天は「白金清正公」の名がある覚林寺にそれぞれ祀られている。この3寺の所在地はいずれも港区白金台になる。
歩いて巡れば、健康にも効験疑いなし。
(掲載号:01月02日・09日合併号)
