週刊誌コラム
週刊新潮「タワークレーン」
水晶の川に 二子の渡し 岡本かの子
二子の地名は、多摩川を渡った対岸の川崎市
<村名の起りは村内東南の境にニつの塚並びてあり。是を
二子塚は現存しないが、川崎市高津区二子6丁目に「史蹟二子塚之碑」がある。同書には、さらに幕末の二子の渡しの模様を<川幅60間(約110m)余、夏は
その二子で、多摩川を見つめながら育った岡本かの子の小説『川』に次の一節がある。
<かの女は水の浄らかな美しい河の畔でをとめとなった女である。其の川の水源は甲斐か秩父か、地理に
万葉の時代から多摩川は多くの詩文に描かれたが、これは絶品の1つに属するだろう。岡本かの子は二子の旧家である
その碑は多摩川の堤防沿いにある。岡本太郎が「誇り」と名づけた高さ5mのまっしろな彫刻が、白鳥のように多摩川に向かって、ひらりと、伸びあがっている。太郎はこれを「かの子のいのち」と表現している。
(掲載号:10月02日号)
