週刊誌コラム
週刊新潮「タワークレーン」
谷畑の 面影残す 自由が丘
おしゃれな店が立ち並ぶ若者の人気スポットの1つ自由が丘にも、少し中心部から離れると、「谷畑 」といった昭和初年以前の農村の面影を伝えている所がある。
駅前広場から東横線の線路沿いに北、都立大学駅方面へ300mほど行けば、左手に熊野神社の木立が見えてくる。境内はかなり広く、ケヤキやアカガシなどの大木が生い茂っている。朱塗りの社殿が、その先の石段を上がったところに建っている。
全体に森閑とした空気が漂っていて、賑やかな駅付近とは別世界の感がある。昔から「谷畑の権限さま」と呼ばれて親しまれてきた神社で、現在の自由が丘、緑が丘の旧谷畑を中心とする地域の氏神さまである。
創建年代は分からないが、毎年9月の例大祭のときに神楽殿で奉納される目黒囃子は百数十年の歴史を持つ。区の無形民俗文化財に指定されていて、保存会が子供たちの育成にも努めている。
石段下には「栗山久次郎翁銅像」が建っている。この人物は旧碑衾( 村の村長などを務め、現在の自由が丘駅の誘致を始め地域の振興に貢献した。
神社からほど近い東横線のガードそばの路地奥には、谷畑弁財天が鎮座している。道路から社殿は全く見えず、道端に標識がなければ、弁天さまの存在に気付かない人のほうが多いだろう。
今は民家が立て込んでいるこの辺りも、昔は清水が湧き出ていて、飲み水や田畑の用水として使われていた。それに感謝して地主が弁天さまを祀ったのだという。
境内は狭いながらも池があり、小さな社殿にはサカキが供えられていて、今も地元の信仰は厚い。その隣には、馬はいつも人間の役に立っていたということで、「馬霊魂」という馬の霊を慰める石碑も建っている。
駅前広場から東横線の線路沿いに北、都立大学駅方面へ300mほど行けば、左手に熊野神社の木立が見えてくる。境内はかなり広く、ケヤキやアカガシなどの大木が生い茂っている。朱塗りの社殿が、その先の石段を上がったところに建っている。
全体に森閑とした空気が漂っていて、賑やかな駅付近とは別世界の感がある。昔から「谷畑の権限さま」と呼ばれて親しまれてきた神社で、現在の自由が丘、緑が丘の旧谷畑を中心とする地域の氏神さまである。
創建年代は分からないが、毎年9月の例大祭のときに神楽殿で奉納される目黒囃子は百数十年の歴史を持つ。区の無形民俗文化財に指定されていて、保存会が子供たちの育成にも努めている。
石段下には「栗山久次郎翁銅像」が建っている。この人物は旧
神社からほど近い東横線のガードそばの路地奥には、谷畑弁財天が鎮座している。道路から社殿は全く見えず、道端に標識がなければ、弁天さまの存在に気付かない人のほうが多いだろう。
今は民家が立て込んでいるこの辺りも、昔は清水が湧き出ていて、飲み水や田畑の用水として使われていた。それに感謝して地主が弁天さまを祀ったのだという。
境内は狭いながらも池があり、小さな社殿にはサカキが供えられていて、今も地元の信仰は厚い。その隣には、馬はいつも人間の役に立っていたということで、「馬霊魂」という馬の霊を慰める石碑も建っている。
(掲載号:12月25日号)
