週刊誌コラム
週刊新潮「タワークレーン」
日本初 ドレメの衣装博物館
JR目黒駅西側の行人坂上から南に延びる道を通称「ドレメ通り」という。沿道にドレスメーカー学院の名で知られる杉野学園の校舎などがあるからで、どこか普通の横丁とは違う雰囲気がある。
その中に、ちょっと古びた西洋館といった感じの杉野学園衣装博物館が建っている。昭和三十二年、日本初の服飾博物館として開館した。学院の創立者でもあった当時の杉野芳子ドレスメーカー女学院長と夫の繁一杉野学園理事長が集めた資料を中心に、約二百五十点の国内国外の衣装、小物が「目で見る西洋服飾史」を中心テーマとして展示されている。
一階は、十九世紀中頃から二十世紀初めにかけての西洋衣装が中心である。スカートの下に腰当てを付けてヒップを強調した、いわゆる鹿鳴館スタイルの衣装などを見ることができる。十六世紀に制作されたというゴブラン織りの壁掛けも見逃せない。二階はロビーで、ミシンの歴史のパネルなどがあるほか昔懐かしい足踏み式のシンガーミシンが一台置いてある。
日本橋の洋服仕立て業者から寄贈されたもので、昭和二十九年に十六万円で購入したとの表示がある。
三階は、腰の左右にスカートを大きく広げるための枠を入れた華やかなロココ・スタイルなど十八世紀以前の男女の洋装が集められている。このほかオランダ、スイス、タイ、カンボジア、インドネシアなどさまざまな民族衣装も展示されている。
四階は日本の衣装の展示場である。女房装束の十二単や男の束帯、和紙でできている着物の紙衣、アイヌの衣装などに目が引かれる。
ファッションに興味のある人には、お薦めの博物館といえるだろう。
(掲載号:05月24日号)
