週刊誌コラム

週刊新潮「タワークレーン」

大崎に 出現の 夢咲きまち

 JR品川駅が品川区ではなく港区に所属することは以前紹介したが、山手線外回りで次の大崎から五反田、目黒までの三駅の所在地は品川区である。目黒駅は品川区上大崎にあって目黒区ではない。

 それはさておき、品川区内の山手線三駅の中で、大崎は一番地味な存在だった。というより、山手線29駅の内でも目立たないほうの最右翼だったかもしれない。

 駅の周囲が盛り場になっているわけではなく、目立つのは会社の建物や工場ばかりだった。だから、最寄り駅として利用するサラリーマンや住民以外にはまず用のない駅という印象が強かった。

 ところが、ここ10年余りで大崎のイメージが変わってきた。特に駅の東側に昭和62年、大崎ニューシティが完成してから、大崎が賑わいだした。

 駅からO歩道橋を渡れば、5つのビルに囲まれたコミュニティ広場のOパティオに出る。ここは3階部分で噴水もある。Oは大崎の頭文字と山手線の環状の輪を表すものだという。

 ビルの3階の1部と2階は商店街になっている。和洋中の飲食店を主に書籍、文具、花店などその数は30を超える。1階はコンビニエンスフロアで、食品、衣料、日用雑貨を扱っている。昼食時の混雑は、都心のオフィス街と変わらない。

 2階にはまた、品川区が全額出捐して設立した財団法人品川文化振興事業団が運営するO美術館がある。現代美術を中心に、コンピューターアート、テクノロジーアートなど最新の映像作品の紹介も行っている。

 このニューシティのキャッチフレーズは「おおさき・駅さき・夢咲きまち」だそうだが、駅の東側に関する限り、大崎は地味なイメージを一変した。

(掲載号:02月10日号)