週刊誌コラム

週刊新潮「タワークレーン」

楽しい 品川の 水族館

 鈴ヶ森刑場跡の東には、旧東海道に沿うように南北に細長い 「しながわ区民公園」 が広がっている。日本庭園やスポーツ広場、遊歩道、池に臨むレストランなどが設けられていて、散策するだけでも結構楽しめる。

 南端には 「しながわ水族館」 がある。平成3年にオープンしたこの水族館は、かつては海と魚に縁が深かった品川区に似つかわしい存在と言えるだろう。

 同館では、東京湾や近辺の川に住む魚を中心とする生物は当然として、日本の海だけでなくアマゾンの大型淡水魚など450種、1万点の水棲生物を観賞できる。イルカショーやアシカショーも行われている。

 頭上を魚群が遊泳する 「トンネル水槽」 の迫力は、さすがというほかはない。ヒトデやヤドカリを直接手で触れて観察できる 「ふれあい水槽」 では、子供たちが喜々として、或いはこわごわ水に手を入れている光景がほほえましい。

 自然湧水がある川にしか住まず、絶滅危惧種になっているムサシトミヨもじっくり観察できる。音を出す魚もいて、ボタンを押すと、それが聞けるコーナーもある。パソコンを使って、魚や海の動物のクイズに挑戦してみるのも一興である。

 モニターを見ながら水中テレビカメラ内蔵のカメ型ロボットを操作して、水中を魚と一緒に泳ぐ臨場感が味わえる装置もある。同館が造られるとき、一般から公募して最優秀賞に輝いたアイデアが実現したものである。

 時間によっては水中で魚に餌を与える光景を見ることも可能で、大人でも十分楽しめる。最寄り駅は京浜急行 「大森海岸」 だが、JR大井町駅との間にレトロ調のボンネットバスが無料運行されているので、これを利用してみるのも楽しい。

(掲載号:08月12日・19日合併号)