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週刊誌コラム

週刊文春「立ち話」

世界初の最新技術が二十一世紀の橋を変える

 一九九四年、東京・神戸間を上下六車線で結ぶ総延長五百kmの第二東名・名神高速道路が着工された。開通すれば東京・神戸間が飛躍的に短縮される。

 その要となるのが、豊田市と四日市市をほぼ直線的に結び、現東名・名神高速道路のバイパス路線としての機能を果たす道路と橋の建設だ。約千四百mの揖斐川橋もその一つである。

 この橋の最大の特徴は、世界初の「PC・鋼複合連続エクストラドーズド橋」の工法が採用されたこと。

 橋が長大になると橋桁の重さが大きな課題となる。橋桁に鉄を使えば軽量化は図れるが、費用は高くなる。そこで、PC(プレストレストコンクリート=圧縮ケーブルを入れ補強したコンクリート)の桁に鉄製の桁を挟む形に交互に連結させたのである。

 さらにPC桁の部分にも工夫が施されている。PC桁の重さを支えるために橋脚部に支柱を高く立て、そこから鋼のケーブルを張り出して吊り上げ、橋桁を支えるタイプを斜張橋という。内部に鋼のケーブルを配置して補強したPC桁より斜張橋は橋桁の重さを支える点では優れているが、支柱やケーブル代の分だけ工事費用は高額になる。

 そこで、揖斐川橋では、橋脚部に比較的低めの支柱を立て、そこから両側に張り出したケーブルで「中心方向へ引っ張る」形でPC桁のブロックを押し固める「エクストラドーズド橋」の工法が採用された。

 このような世界初の最新工法を取り入れた揖斐川橋は、経済性はもちろんのこと、二十一世紀の橋の建設に新たな可能性を示す意味でも価値の高い橋となる。

 「美しい橋でしょう?」と大成建設、田中茂義作業所長が浮かべた笑みには、スタッフとともに実現させた「最新技術の造形」への自負と誇りとが感じられた。

(掲載号:01月04日・11日号)