週刊誌コラム
週刊文春「立ち話」
常にプラス思考で元気に挑戦する・設計マン魂
東京・神戸間を結ぶ総延長五百 の第二東名・名神高速道路の建設が着々と進められている。その中で、愛知県豊田市と三重県四日市市をほぼ直線的に結ぶために、揖斐川河口に建設中の揖斐川橋には、最新技術の「PC・鋼複合連続エクストラドーズド橋」工法が採用されている。
「世界初の試みですから、クリアすべき難しい課題もたくさんありました」と田中茂義所長は語るが、どうやら困難だからこそ、彼がここに配属されたとも言えるようだ。
田中所長はまさに、橋建設のオーソリティだった。
山梨県に生まれた田中所長は、少年時代に医者や弁護士を目指していたが、高校の頃「モノを作る建設業こそポジティブな仕事だ」と確信した。大学では土木工学科を選び、一九七九年、大成建設に入社した。
瀬戸大橋の橋脚の仕事を手始めに、神戸、福島、東京、静岡、北海道と橋一筋に二十余年のキャリアを積み、今回の現場では、満を持して所長となった。
「橋の仕事の魅力は、単純に『できれば喜ばれる』というところ。渡れなかった川が渡れるようになるのですから、社会的にもポジティブな仕事でしょう?」と話す田中所長がこの現場に掲げたスローガンは「成功を信じ、プラス思考で元気に挑戦する」だった。
それにしても、世界初の最新技術の塊のような今回の橋の建設には、さぞ苦労が多かったことだろう。
「誰もやったことのない仕事に挑戦する方が、完成した暁には、より大きな成果や満足感が得られますよ」と田中所長はあくまでもプラス思考だ。子育てについては「日の出に向かって走るような元気で快活な子供に育てたい」と語ったが、それはまさに、仕事に取り組む田中所長本人のイメージそのものとも言えた。
(掲載号:01月18日号)
