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週刊誌コラム

週刊文春「立ち話」

一人ひとりの心の絆が本当の「復興」を生む

 兵庫県西宮市の阪急・西宮北口駅は、大阪と神戸のほぼ中間に位置し、阪神間を代表するターミナル駅となっている。一九九五年の阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けたが、特に駅の北東地区の商店街は壊滅的な打撃を被ってしまった。

 この地域が、住居・公益公共施設・商業施設からなる東西二つのビルとして再開発され、今年四月にグランドオープンする。

 大成建設の堀田秀明統括所長は、その西棟の建設に心血を注いできた。

「遠くから来た人には『ずいぶん復興したね』と言われますが、実際には空き地も多く、震災の影響はまだたくさん残っています」と語る堀田統括所長も阪神・淡路大震災で、人生を大きく変えられた一人だった。

 一九七六年に大成建設に入社。仙台、東京、埼玉などの現場を経て大阪に赴任し、病院や神戸ファッションプラザの建設に当たった。平成七年、海外転勤を命ぜられてフィリピンへの出発を一週間前に控えた一月十七日早朝、神戸市北区の自宅で大震災に見舞われた。

 直後は近所での復興に追われた。一旦落ち着くと、今度は建設会社の社員として広範囲の救助・復興活動を仲間たちとともに始めた。「差し迫った人命救助の必要がなくなった頃、たまらず、自分が携わった建物を調べに行きました……倒れていませんでした」

 そう言った後、堀田統括所長は「気持ちが入ってますから……気持ちをこめることが一番大切なんです」と呟いた。いたたまれなくなった私が、海外に行きたかったですか、と問うと、
「妻は名古屋出身なのに、神戸を離れたがらないんです。みんなで一緒に頑張ってきたからでしょうね」

 そんな"一人ひとりの心のつながりと強さ"とが、復興を成し遂げてゆく原動力になっているのだろう。

(掲載号:03月01日号)