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週刊誌コラム

週刊文春「立ち話」

国内最大級のクレーンで工期の大幅な短縮を実現

 世田谷区という東京の真ん中にあって、果物や野菜の流通拠点として都民の胃袋を支えてきた世田谷市場で、耐震補強などのリニューアルに加え、新たに花き部を併設するための工事が行われた。完成すれば大田市場に次ぐ二番目の規模を誇る・花の市場・となるのだが、この工事には乗り越えなければならない大きな課題が与えられていた。

 それは「青果市場としての業務を妨げることなく、可能なかぎり早く工事を終えること」だった。

 後者の課題を解決するためには、プレキャストによる大スパン構造が採用された。柱や床など、コンクリートでできた大きな部品をあらかじめ別の工場で作り、現場に運んで組み立てる方法だ。この方法だと工期はかなり短縮できる。

 しかし「市場」としての特性から、建物は何台もの運搬車の重さに耐えなければならないし、セリ場など柱と柱の間隔が広い空間も確保しなければならない。

 そのためには何本ものPC鋼線を入れて強度を高めたコンクリートの部品が、さらに大きくなってしまう。「ここでは、日本一の高層ビル、横浜ランドマークタワーで使用した超大型二台を含む三台のタワークレーンを使い、一本四五tもあるプレキャストコンクリートの梁の取り付け工事なども行いました」と大成建設の小林敬明作業所長は説明する。

 では、もう一つの「青果市場の業務を妨げずに」という課題にはどんな取り組みがなされたのだろうか。「安全に工事を進めることはもちろんのこと、できるかぎり市場で働くみなさんのおじゃまにならないよう努力と工夫を重ねるのが、一番大切なことでした」と語り始めた小林作業所長の話には、この現場だけでなく、すべての現場に通じる大成マンとしての・哲学・が感じられた。

(掲載号:04月05日号)