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週刊誌コラム

週刊文春「立ち話」

工事渋滞を激減させる共同溝を名古屋に建設

 幼い頃に手塚治虫の漫画をむさぼり読んだ世代は、二十一世紀が来れば自動車は宙を走り、ロボットが家事を手伝い、人は月に移住しているだろうと信じた。

 その多くが今のところ実現していないが、ある一つの予想だけは、どうやら近々に実現しそうだ。
 それは「巷の風景から電柱が消え去ること」だ。

「共同溝」と呼ばれる地下トンネルを建設し、そこに電話線や電気、水道、ガスなどのライフラインをまとめて収めてしまうのである。

 今、愛知県では名古屋市を中心に大規模な共同溝の工事が行われている。その一環が、大高町から有松町までの国道二十三号線直下の「名四共同溝」建設工事だ。

 共同溝には人間が入れるので、電話線にしろ水道管にしろ、各々の配線、配管や点検補修のたびに掘り返さなくてもよい。工事期間中でも道路の一部を占有する必要がないから交通渋滞を起こさずにすむわけだ。

 一九九八年七月に着工した今回の工事自体も最新のシールド工法が採用された。直径約六mの円筒型の掘削機で地下数十mをモグラのように掘り進む工法で、ここでも、地上を掘ることで起こる「工事渋滞」が避けられる。

 竣工を二週間後に控えた現場に到着したのは、三月半ばの昼下がりだった。

 工事用の階段を使い地下二十数mまで降り立った取材班一行は、ひんやりとした空気の中を歩き始めた。

 共同溝は、万一の場合の安全対策のために、ガス管が通されるエリアと電線などが収められるエリアをコンクリートの隔壁で完全に分離した構造となっている。

 そして、全長二kmを超える共同溝の途中には、ある特別な方法で工事が進められた区域が二カ所あった。

 そこでは、世界初の、まさしく”近未来型”最新工法が採用されたのである。

(掲載号:04月19日号)