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週刊誌コラム

週刊文春「立ち話」

掘削工事を進化させる世界で初めての最新技術

 愛知県名古屋市の国道二十三号線の直下に建設されていた「名四共同溝」が三月末に竣工を迎えた。

 この共同溝は地下数十mに埋設された直径約六mのトンネルで、光ファイバーを含む通信網と電線、ガス管が収容される。管理者が中に入れることから、配線、配管や点検補修などの際に地面を掘り返す必要もなく、以前のような工事渋滞も避けられる。だが、ここでは「トンネル工法を飛躍的に進化させる世界初の技術」も試みられていた。

 全長約二kmのうち、愛知用水と東海道新幹線の真下に位置する二カ所の区間で採用された「ラッピングシールド工法」がそれだ。

 シールドマシンは、掘削と同時に複数の湾曲したコンクリートのブロックをリング状に組み合わせ、トンネルをつくりながら地中を進んでゆく。

 今回開発された最新掘削機は、さらにトンネルの外側を覆う厚さ二mmの防水シートまで同時に施工してしまう優れ物である。

 掘削機内部でマシンとほぼ同じ直径の防水シートの輪っかをつくり、それを溶着してチューブとし、その内側にトンネルを組み立てながら掘り進んでゆくのだ。

 防水シートによるラッピング技術が確立されれば、防水効果を高めるだけでなく、トンネル内側のつなぎ目の防水が不要となり、トータルコストの削減にもつながるという。

 チューブをつくりながらどこまでも進んでゆく……「機械」というよりは「地中で自在に道を作りながら動き回る巨大な生き物」のイメージに近い気がした。

(掲載号:04月26日号)