ホーム > 会社情報 > ライブラリー > 週刊誌コラム > 週刊文春「立ち話」 > 平成13年 [2001年] > 世界に一つしかない公式のミュージアム


文字のサイズ
  • 小
  • 中
  • 大

週刊誌コラム

週刊文春「立ち話」

世界に一つしかない公式のミュージアム

 ビートルズの中心的メンバーであり、詩人にして画家、平和運動家でもあったジョン・レノン。

 凶弾に倒れてから二十年後に当たる昨年、彼の六十回目の誕生日の十月九日に「ジョン・レノン・ミュージアム」は開館した。平日でも二、三百人、休日には五百から千人近くが全国から訪れ、総来館者数はすでに十五万五千人に上っているという。

 同館は、JR宇都宮線・高崎線で上野駅から二十分余りのさいたま新都心駅と、JR埼京線で新宿から約三十分の北与野駅を最寄り駅に持つ埼玉県さいたま市の「さいたまスーパーアリーナ」の中にある。このアリーナは音楽とスポーツの殿堂として、また、生まれたばかりの「さいたま新都心」に賑わいを創出する拠点として計画され、開発コンペに当選した大成建設JVによって建てられた。

 建物正面の四階と五階を占めるミュージアムも大成建設の提案によるもので、 文化事業の一環として同社の百%出資の子会社によって運営されている。

 オノ・ヨーコ夫人の正式な許諾を得た世界初の公式ミュージアムだけあって、約一五〇〇m2のフロアには、ジョンが実際に使用したギターやステージ衣装、直筆の作詞原稿や絵画など、約百三十点もの貴重な品々が展示されている。有料スペース以外でも、ジョンにゆかりの小物やアート作品などを販売するショップや、彼が晩年に避暑の定宿とした軽井沢の「万平ホテル」が運営するカフェも併設されている。

 このミュージアムは二十世紀を代表する大ポップスターを、ただ偲ぶためだけに作られたものではない。雨上がりの緑が目にまぶしい季節に訪れて、これまで持っていた「記念館」のイメージを根底から覆されることになった。

(掲載号:07月19日号)