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週刊誌コラム

週刊文春「立ち話」

ミュージアム全体がジョン・レノンを表現

 埼玉県さいたま市にある「ジョン・レノン・ミュージアム」は、世界初のジョンの公式ミュージアムだ。

 昨年十月、オノ・ヨーコ夫人を迎えての開館セレモニーが催されてから九ヶ月後の現在、およそ十六万人が訪れているという。

 約百三十点もの貴重な展示物もさることながら、最大の魅力は、オリジナリティれる構成だろう。

 来館者はまず、収容人員六十人のシアターに入り、ジョンの生涯を簡単に紹介した約七分の映像を観る。

 続いて、少年時代やビートルズとしての活動、ヨーコとの出会いなど、彼の人生に沿って九つに分けられた展示ゾーンへと進む。

 ジョンにゆかりの品々がただ並んでいるのではない。ビートルズのスタートラインであるキャバーンクラブを模したレンガ造りの部屋や、ジョンの終の住み処となったダコタハウス風の空間など、館全体がより彼の人生を実感させてくれる演出となっている。しかも、各ゾーンの時代や目の前の陳列物に関連したナンバーが流されているので、ジョンのメッセージが目と耳の両方からダイレクトに伝わってくる。日本語と英語でジョンの生涯を綴った、丁寧で端的な解説も読める。

 ざっと観るだけでも一時間、じっくり楽しむなら二〜三時間はゆうにかかる。ファンのみならず、ジョン・レノンをあまり知らなかった人でも、観終わった後には、このスターの多面的な魅力を感じていることだろう。

 近隣からの来館者が「これからは『どこに住んでるの?』と聞かれたら『ジョン・レノン・ミュージアムのある街よ』と答えたい」とアンケートに書いた気持ちもうなずける。
「涙を流すほど感動してくださるお客様も珍しくないんですよ」と菊池二郎館長が教えてくれた。

(掲載号:07月26日号)