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週刊誌コラム

週刊文春「立ち話」

”里山の景観”を大切に自然と調和したデザイン

 四国ではいま、「∞(無限大)」のカタチで四国四県を結ぶ四国縦貫・横断自動車道の建設が進められている。

 このうち、現在建設中の四国横断自動車道「鳴門IC〜板野IC」間の周辺には、約一二00年前に弘法大師により開かれた四国八十八カ所霊場の第一番札所「霊山寺」、また阿波一の宮として、初詣には徳島全域から県民が集まる「大麻比古神社」もある。

「今回の工事は、これらの歴史的文化遺産と調和させながら、豊かな自然の風景を残す"里山の景観"を重要視したコンセプトで設計しています」と道路公団徳島工事事務所の中西正男工事長は説明する。

 例えば、霊山寺と大麻比古神社の参道を結ぶ連絡路が高速道路と交差するトンネルには、大鳥居をモチーフにした日本的な空間デザインを採用。他のトンネル も、内壁をいくつもの細かい凹凸で飾り、視線を先へと誘導して快適に通過できる工夫などが施されている。 また、スカイライン(山の輪郭線)を調整してパーキングエリアを森で囲むことで、山並みと田園で構成された、古き良き日本の典型的な風景である"里山"の景観が保たれている。

 現場のすぐ近くには、第一次世界大戦の際、俘虜とは言え紳士的に扱われたドイツ兵たちが、自ら進んで残した文化や遺産を、写真や資料で紹介している「ドイツ館」があり、周辺は「ドイツ村公園」として整備が進められている。

 この文化遺産の一つ「ドイツ橋」にちなんだ美しいデザインのアーチ橋も新たに板東谷川に架けられる。「道路とのジョイント部分から発生する騒音を無くし、コンクリート素材の美しさを引き出す斬新なデザインになっています。きっとこの地域の新しいランドマークになりますよ」と大成建設土木本部設計計画室の関課長は熱く語った。

(掲載号:08月16日・23日合併号)