週刊誌コラム
週刊文春「立ち話」
日本一の規模を誇るコンクリート・アーチ橋
静岡県庵原郡富士川町では現在、第二東名高速道路の一部となる「富士川橋」の建設が進められている。
二六五mのアーチスパンを持つこの橋が完成した暁には、コンクリートのアーチ橋としては日本一、上部の橋桁に鋼材を用いる複合アーチ橋としては世界一の規模となる。ではなぜ、富士川橋はこれほど大きくなったのか。
関東、中京、関西を結ぶ東名高速道路が建設された当時から比べて、現在では、車両は大型化し、交通量もかなり増えている。そのため、区間内各所での維持補修工事が必要となり、渋滞も多発している。この混雑を解消し、災害など非常時の際には代替路としての機能も期待されているのが第二東名だ。
幅の広い六車線を有する第二東名は、日本で一番速く走れる高速道路として設計されており、カーブをできるだけ緩くする必要性があるので、建設ルートも自然と決定される。その結果、富士川の中でも幅が狭く、したがって急流となる位置に橋を架けることとなった。
しかし、雨期の増水時には最大毎秒一万六千tもの水が流れ、水位が十mも上がる富士川の中に、橋を支える柱の橋脚を立てるのは難しい。そこで、橋脚なしで富士川をひとまたぎで渡る巨大な「アーチ橋」の形式が採用されたのだ。その類を見ない大きさゆえに、日本で初めての試みとなる最新工法が採用されたのである。
橋は一九九八年八月に着工され、竣工は二〇〇四年度に予定されている。
猛暑でも、富士川には涼しい風が吹いていた。現場を訪れたのは、両岸からコンクリートのアーチが伸び、まさに中央でつながろうとしている時だった。大きさもさることながら、左岸に位置する自然公園「明星山」の緑を背景に映える巨大なアーチの白さが眩しかった。
〈PR・大成建設〉http://www.taisei.co.jp「Tea Time」らいぶらりーでもご覧いただけます。
(掲載号:09月27日号)
