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週刊誌コラム

週刊文春「立ち話」

廃材の九五%をリサイクル旧千葉火力発電所除却工事

 JR京葉線蘇我駅から東京湾方面に向かうと姿を現わす巨大な製鉄工場と並び、京葉工業地帯の中心的シンボルだった旧千葉火力発電所。一九五七年当時の最新鋭火力発電所は、威風堂々とした姿で高度経済成長期から長らく電力供給を続けてきた。しかし、近年隣接地に出力の大きい最新鋭の発電所が建設され、旧発電所はその歴史を閉じた。そして今、大成建設によって千葉火力発電所1〜4号発電設備除却工事(二〇〇〇年四月〜)が行なわれている。ボイラ棟、タービン棟、燃料タンク、変電所などが整然と並んでいた三十八万平方メートルの巨大な敷地は二〇〇二年七月末には、跡形もなく更地となるのである。

「私どもの仕事は"地図に残る仕事"がキャッチフレーズですが、この工事は"地図から消す仕事"なんですよ」

 と近内滋所長は言う。ふと一抹の寂しさが胸をよぎったが、所長の次の言葉がそれを打ち消してくれた。

「取り壊すだけではありません。廃材は捨てるのではなく、可能な限り再資源として利用します。最終的には九五%以上がリサイクル利用されるでしょう。たとえば十万トン以上のコンクリート塊は、再生砕石として構内で使うんですよ」

 他に五百六十三トンの木屑や五万三千八百八十五トンのスクラップ等はもちろんのこと、これまでは埋め立て処分していたアスベストを含むシリカ系保温材はアスベストを高温で溶かし、コンクリート二次製品の原材料として再利用する。

 中途半端なリサイクルではなく、東京電力と大成建設の強力タッグによる発電所の徹底的な再資源化であり、単に地図から消すだけの仕事ではないのだ。ともあれ、その前にしなければならないのが特殊な建造物である発電所の解体工事である。

(掲載号:12月20日号)