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週刊誌コラム

週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」

できあがったダムに水を貯めるとき、水はどのくらいでいっぱいになるの?

 できあがったダムに水を貯めるには、まずダムをつくるために川の水を迂回させていた仮排水路を閉めます。普通は、トンネルで川の水を迂回させているので、入口をゲートで締め切って水を貯めはじめます。水を貯めている間にトンネルの中をコンクリートで塞ぎます。川の水は、年によって水量に変動がありますが、通常は3〜4カ月で貯まります。大きなダムや川の水量の少ないダムでは1年以上かかることもあります。
 最初に水を貯めるときは、まず、水位を貯水池の最高水位まで上げ、その後必要な水位まで下げて、ダムの基礎地盤や貯水池周辺の地山などの安全性を確認します。これを「試験湛水(しけんたんすい)」と呼びます。ダムにかかる水圧は、水位が1メートル上るごとに1トン増加するので、水を貯めながらダムに設置したさまざまな計測機器を使って、水位の上昇に伴うダム本体や基礎地盤の挙動を確認するわけです。
 試験湛水では、水が最高水位まで達したら数日間その水位を保ってダムのさまざまな動きや漏水の状況などを確認します。そして問題がなければ、1日1メートル以内で水位を下げていき、貯水池周辺の地山で地すべりなどが起きないかを確認して試験湛水を終わります。すべてに問題がないことが確認されてから、本格的に必要な水位まで再び水を貯めて、ダムとして運用管理されるのです。
 大自然という試験官によって水を貯めるための試験を受けなければならない、ダム。
「蟻の穴から堤も崩れる」とわれるように、ダムづくりでは慎重の上に慎重を期しているわけですね。

(掲載号:01月05日・12日合併号)