週刊誌コラム

週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」

大きな穴はどうやって掘るの?

ビルの地下になる部分や地下タンクはどうやって掘っていくのでしょう?

 庭にちょっとした穴を掘ろうとしても、すぐ周りの土が崩れてきますよね。ビルの地下や地下タンクのような、大きく深い穴を掘る場合も同じ問題に突き当たります。
 深さが二十メートル程度なら、穴の周りに鉄板を打ち込んで周囲の土を支えられますが、それより深くなると土の圧力(土圧)を支えきれず、穴が崩れたり、歪んだりします。そこで、大きな穴を掘りはじめる前に、まず周囲の地中に頑丈なコンクリート壁をつくってしまうのです。掘ろうとしている場所の周囲に、二メートル×三メートルほどの竪穴を連続して掘り抜き、中に鉄筋とコンクリートを入れて地中の壁にします。このように連続した壁を「地中連続壁」、通称・連壁(れんぺき)と呼びます。
 土圧は深いほど大きくなり、地下百メートルの連壁になると竪穴は土圧で変形してしまい、掘ったままにしておくとすぐに崩れてしまいます。そこで掘った竪穴は「安定液」と呼ばれる、水に特殊な粘土を加えたものでいっぱいにします。深さ百メートルの竪穴を水でいっぱいに満たせば、底の方では水圧だけで十気圧の圧力になります。つまり水圧を利用して土の圧力と均衡を保っていれば、土が崩れるのを防げるわけです。
 しかも、掘った土は安定液といっしょに吸い上げられるので、簡単に地上に運び出すことができます。竪穴を掘り終わったら、鉄筋とコンクリートを入れて壁の一部分が完成。これを連続すれば連壁のできあがりです。あとは安心して連壁に囲まれた地下を掘り拡げることができます。

(掲載号:02月25日号)