週刊誌コラム
週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」
バイ菌の増えない建物、つくれる?
さまざまな分野に応用されている 「抗菌素材」 、建物にも応用できないのでしょう か。
映画などで、ヨーロッパの貴族たちが、ゲストを銀の食器でもてなすシーンをご覧になったことはありませんか?彼らが銀の食器を使うのは、なにも裕福さを示しているだけではありません。銀には毒物と反応すると黒く変色するという性質があり、 「この食事は、安全ですよ」 ということを証明する、もてなしのひとつだったのです。また、花瓶に十円玉を入れておくと、生けた花はいつまでもイキイキしています。これは、銅が水の中のカビや雑菌の繁殖を抑えるからです。
そもそも銀や銅には、菌の発生を抑制する効果があります。台所の生ゴミ入れや排水口などに銅製のものを使うとヌメリや悪臭が気にならなくなるのも、そんな効果があるためです。コンクリート製の下水管をつくるとき、コンクリートに銀のイオンをのせるだけで、イヤな臭いの元になる下水中の雑菌を抑えることができ、浸食によって下水管がボロボロに腐蝕することも防ぐことができます。
病院の手摺りや取っ手は、医師や看護婦だけでなく、患者や見舞客までが触れるもの。そんな部分を銀や銅を含んだ抗菌性に優れた材料でできたものにすれば、たとえ保菌者が触っても、怖い院内感染などを防ぐことができます。また、食品工場なら、ステンレスに銅を一・五パーセント加えた抗菌ステンレスや、銀を加えた抗菌タイル、抗菌プラスチックなどを使って工場をつくれば、食品の高い安全性の維持が実現できるわけです。
抗菌作用って、私たちの暮らしを安全で快適なものにしてくれるヒーローなんですね。
(掲載号:03月03日号)
