週刊誌コラム

週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」

土壁の効果って、何かあるの?

泥と藁でつくった日本古来の土壁は、健康に役立つ機能をもっているのでしょうか。

 最近の日本の家では、めっきり少なくなった土壁。しかし欧米では、この土壁が脚光を浴びてきています。その人気の秘密は、気候や環境の変化に耐えて長く持つこと、材料が循環型なので環境にやさしいこと、そしてなによりも健康にいいためです。
 そもそも土には、接着剤などの有害な臭いやペット臭などを吸着するチカラがあります。にもかかわらず、日本で人気が低迷してきたのは、あまりにも時間のかかる工程にあるようです。土壁の場合、下地にする竹に藁を巻き付けて、その上に三回ほど塗り重ねます。土の中に藁を入れるのは、藁の持つ繊維分で土を補強するため。中塗りするには、下地の土が完全に乾燥してひび割れができていないと、中塗りすることはできません。なぜなら、このひび割れが次の中塗りの土台の役割を果たすからです。
 土壁の中でも土佐漆喰と呼ばれるものは、高級さもさることながら、風雨にも耐える強さが特長です。これは、石灰に水を加えて石灰のクリームにし、それに土を加えてつくります。この中に、蒸して発酵させた藁を入れるのですが、藁の繊維分が土を補強するだけでなく、発酵によってできた粘りの成分が土に強い結合力を与えるのです。さらに、練るときには塩水も入れています。こうすると強度がいっそう増すだけでなく、塩分に含まれるナトリウムが害虫を防ぎ、同時に石灰の締まりをよくするのです。
 有害な臭いまで取ってくれる土壁。結局、自然の素材でつくられたものは、私たちのカラダにやさしいものなんですね。

(掲載号:03月31日号)