週刊誌コラム

週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」

バクテリアって、何か役に立つの?

悪者のような印象のあるバクテリア、何か私たちの役に立っているのでしょうか。

 建設とバクテリア。一見なんの関係もないように感じるこのふたつ、じつは切っても切れない関係にあるのです。
 そもそも建設は、土や水や風など、地球上の自然そのものを相手にするもので、自然界のさまざまな生き物たちとかかわりあって成り立っています。つまり、建設の理想は、「人と生態が調和した理想的な環境の実現」にあり、それは廃棄物や有害物質のない社会環境の実現ということになります。そのためには、バクテリアの働きが欠かせないということが、最近わかってきたのです。
 レストランやホテルからは、油分を含んだ厨房排水がでます。これをそのまま下水に流しては川が汚れ、下水処理も大変です。そこで油分の分解が得意なバクテリアを見つけて、その働きを利用する装置を厨房に取り付けて、排水をできるだけきれいにします。油分解が得意なバクテリアは、他にも油で汚染された土壌の浄化にも活躍しています。油分解が得意なバクテリアは、他にも油で汚染された土壌の浄化にも活躍しています。
 また、使い道が見つからず、燃やすしかなかった間伐材も、バクテリアで肥料にすることができます。木材を四〜五センチメートル以下のチップにしてビニールシートで覆うと、バクテリアが木材の成分を分解して、数カ月くらいで有機肥料になります。これなら間伐材も有効利用できるうえに、燃やす時に発生していた二酸化炭素も出さずにすみます。
 こうしてみるとバクテリアって、小さいわりに、なかなかのスグレモノでしょう。そんな自然界からさまざまなことを学び、応用し、生き物と人間がもっともっと共存共栄できる環境をつくっていきたいですね。

(掲載号:04月07日号)