週刊誌コラム

週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」

ビオトープって、何ですか?

最近、耳にしたり見かけたりするようになった「ビオトープ」って、いったい何のことなんでしょう。

 ビオトープ(BIOTOPE)とは、ビオ(生物)とトープ(場所)が合わさってできた言葉で、「生物の棲息空間」を意味します。しかし日本では、植物や小動物・昆虫・鳥・魚などの棲息空間を復元するためにつくった環境を指すことが多いようです。つまり、昔なら身近にいくらでもあった生き物たちの住処のことです。
 昔は、ちょっと足をのばせば、小川が流れ、池や雑木林があり、夏にはトンボが飛び交いセミの鳴く自然が、どこにでもありました。しかし都市化が進んだことで、水生生物の住処であった土手や川岸の石がなくなったり、自然林が減ってきたため、最近では自然の保全と復元を積極的に図るようになってきました。
 たとえば、川のコンクリート護岸を極力少なくして石を置いたり、木材を井桁に組んで隙間をつくり、生き物たちの住処にします。このような住処には、川の水の汚れの元となる有機物を食べてくれる微生物やそれらを餌とする水生生物などが住みつき、いろいろな生き物が棲息できるだけでなく、自然の力で川がきれいになります。
 マンションの中庭などのスペースでは、コンクリートではなく土や砂利で変化をつけた池や流れをつくり、生物が棲める環境にします。このようにして、動植物が生きていけるビオトープをつくることで、自然界の生き物のバランスが戻ってくるわけです。
 建物や橋・道などをつくるときにも、地形や地質の他に動植物の生態環境を調査するなどして、自然の営みを大切にする努力が続けられているのです。

(掲載号:04月14日号)