ホーム > 会社情報 > ライブラリー > 週刊誌コラム > 週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」 > 平成12年 [2000年] > 海や湖を埋め立てるには、どんな工事をするのでしょうか。


文字のサイズ
  • 小
  • 中
  • 大

週刊誌コラム

週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」

海や湖を埋め立てるには、どんな工事をするのでしょうか。

埋め立てに適した河口や浅い湾内の海底にはよく、ヘドロ状の柔らかい泥が堆積しています。ここを大量の土砂で埋め立てようとしても、海底が水を含んだスポンジのような状態なので、投入する土砂の重みでどんどん沈下してしまいます。
 そこで、まず埋め立てる場所の海底に、直径50〜60センチ深さ20メートルほどの穴を掘り、その中に砂を詰めて砂の杭を造ります。この杭を埋め立て海域全体に約2メートル間隔で造り、その上に土砂を積み上げていきます。
 砂はヘドロよりも粒子が粗く水を通しやすいので、砂の杭は土砂の重みで搾り出されたヘドロの水分を吸収して、水を汲み上げるパイプの役割を果たすのです。水分さえ吸い上げれば、ヘドロの地盤も押しつぶされたスポンジのように安定します。
 仮に砂の杭を打ち込まずに埋め立てようとすると、盛り上げた土の沈下が止まって地盤が安定するまでに30〜50年かかりますが、砂の杭があれば埋め立てが完了する頃には、沈下の95%は収まっている状態になります。
 とはいえ、膨大な量の土砂が盛られるので沈下も想像以上。関西空港の場合、海底から海面までが約20メートル、その上に4~5メートルの盛り土がありますが、埋め立て始めてからの沈下量は実に11メートル。実際には海底から約36メートル分の土を盛ったことになります。
 この海上空港、いまも徐々に沈み続けていますが、心配ご無用。空港の建物の下にはあらかじめジャッキが組み込んであり、沈下が大きくなった場合には、周囲のレベルに合わせられるようになっています。

(掲載号:05月05日・12日合併号)