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週刊誌コラム

週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」

トンネル工事では、どんな場合でも発破をかけて掘っているのでしょうか?

 「ハッパをかける」といえば、「がんばれと、尻を叩く」という意味になるくらい、なにか元気な感じがしますが、爆薬を使う作業ですから、危険も伴います。もちろん、今でもダイナマイトで岩盤を発破する場合もありますが、TPOに応じて、発破する、しないを使い分けています。
 発破をかけるかどうかはどうやって決めるのか?それは、掘り進む岩盤の硬さや状態によって決まります。削岩機も歯が立たないような、硬い岩盤を掘り進まなければならない工事では発破を使います。たとえば、断面積が100平方メートルある2車線の道路トンネルであれば、ドリルで岩盤に深さ2メートル30センチくらいの孔を200個ほど開け、その孔にダイナマイトを5本ずつ仕掛けます。一度の発破に1本200グラムのダイナマイトをおよそ1000本使って、約2メートル分の厚さの岩盤を崩していくのです。このくらい硬い岩盤なら発破で岩を崩しても、周囲の岩まで崩れてトンネルがつぶれる心配がないので、発破がかけられるわけです。ただ、いくら硬い岩盤でも、地下水が吹き出したりする可能性があるようなら、発破は仕掛けません。
 では、地盤が軟らかい所を掘り進む場合は、どうでしょう?答えはノー。発破はできません。周りが軟らかければ爆薬がききませんし、発破した後、周囲の地盤まで崩れるようでは、トンネル工事が進みませんから。
 とにかく、トンネル工事は自然が相手の仕事。やみくもに爆薬を仕掛けるようなことはせず、地盤の状況をよく見極めて、いろいろな方法を使い分けてトンネルは掘られているのです。

(掲載号:05月19日号)