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週刊誌コラム
週刊朝日「大いに成るほど〜素朴なギモン編」
美術館に展示されている絵画の名作、本当に正しい色で見ているのでしょうか?
最近の日本の美術館では、照明として蛍光灯が使われはじめました。しかし、蛍光灯といっても、もちろん一般の家庭やオフィスなどで使っている蛍光灯と同じものではありません。
ごく普通に使っている蛍光灯は、目には見えない紫外線をだしています。この紫外線は、作品を劣化させる原因になってしまいます。ですから美術館では、蛍光灯は蛍光灯でも、紫外線をださないタイプのものを照明に使っているのです。しかし、じつはこれでも、美術館の照明としてはまだまだ不十分なのです。
むかし学校で教わった記憶があると思いますが、光の三原色は、赤と緑と青です。本来なら、この3つの波長の光があれば、物の色を再現することはできます。しかし、微妙な中間色で表現されていることが多い絵画では、この3つの波長の光だけでは、作品の持つ独特な色合いまでも忠実に再現することはできません。そこで美術館では、蛍光管の中に自然の光とほとんど変わらない幅広い波長で発光するガスを入れた、作品の持つ色を忠実に再現することのできる蛍光灯を使っているのです。
ところで、絵画を見るときの正しい色って、本当はどんな色なんでしょうね?おそらく、いま名画と呼ばれている歴史的な価値のある絵画は、ほとんどが自然光の下で描かれたか、あるいはアトリエとはいっても、いまのように太陽の光がふんだんに射し込んでくるようなアトリエではなく、ほの暗い中で描かれていたのではないでしょうか?もしそんな、描かれた当時と同じ状況の光の下で作品を見ることができたら、その作品の印象は、いま見ているのと変わってくるのかもしれませんね。
(掲載号:07月21日号)
